大日本印刷 九州大学発スタートアップJCCLと協業開始 CO₂分離回収技術を活用しGHG排出削減とカーボンニュートラル社会の実現へ
大日本印刷株式会社(DNP)は、九州大学発のスタートアップで低コストかつ高効率なCO₂分離回収技術を開発する株式会社JCCLと協業し、2025年10月から事業開発とGHG排出量削減の取り組みを開始する。また、DNP科学分析センターもJCCLの技術を導入し、CO₂分析サービスの提供を始める。
協業の背景と狙い
日本政府は「GX2040ビジョン」で2050年のカーボンニュートラル実現を掲げ、CO₂回収・利用の技術開発を重点課題に位置づけている。DNPは「環境ビジョン2050」に基づき、Scope1・Scope2の排出量実質ゼロを目指し、省エネルギーや再生可能エネルギー導入を推進。一方JCCLは固体吸収法と膜分離法を強みとし、低コストかつ高効率のCO₂分離回収技術を展開してきた。両社の協業により、工場排ガスの回収や新規事業の創出につなげる。
取り組みの具体像
- GHG排出削減の加速
DNPとJCCLは両方式を組み合わせたCO₂分離回収技術を活用し、2030年度からDNP工場に設置。Scope1排出量削減を実現し、新事業開発にもつなげる。 - 技術革新と量産化
JCCLの材料・性能評価やプロセス設計技術に、DNPの印刷技術を組み合わせ、分離回収装置やモジュールの量産体制を構築する。 - 分析・評価サービスの提供
DNP科学分析センターはJCCLの固体吸収法による装置を導入し、吸収剤評価や回収プロセスの実証など新たな分析サービスを開始する。
今後の展開
両社は協業によって得られたノウハウをもとに、DNPグループ内でのGHG削減にとどまらず、同様の課題を抱える国内外企業へのソリューション提供へも展開を広げる。
