博進堂 来場者数5万8千人超、カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+2026」でモノクロ印刷の極致を披露 「Black is Back 黒に思想を、印刷に物語を。」をテーマに独自の黒を追求

一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は2月26日から3月1日まで、カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+2026」をパシフィコ横浜およびオンラインで開催した。4日間の累計来場者数は58,294人に達し、前年の55,791人を上回る盛況ぶりを見せた。また、今回の出展社数は過去最多となる149社にのぼり、新規出展45社、海外出展38社と、世界最大級の展示会として高い注目を集めた。

大盛況の会場

この国内外から写真愛好家やプロフェッショナルが集う舞台で、株式会社博進堂は「Black is Back 黒に思想を、印刷に物語を。」をテーマに出展。モノクロ印刷における圧倒的な表現力を示し、会期中同社のブースには絶えず来場者が訪れる盛況となった。

伝統の「HBインキ」をデジタルへと継承

博進堂は1921年のコロタイプ印刷所創業以来、100年以上にわたり黒の深度と階調に向き合い続けてきた。同社はオフセット印刷への移行期に、コロタイプの繊細な階調美を再現するために赤みを帯びた独自の黒インキ「HB(Hakushindo Black)」を開発。2025年にはその思想をデジタル印刷機用のトナー(ElectroInk)へと発展させ、デジタル領域においても手描きの銀塩プリントに近い艶と情感のある表現を可能にしている。

デジタル印刷が均質で無機質に感じられる要因を「人間の判断が介在しにくい点」にあると分析。展示では、職人の眼で黒の深度を見極め、紙との相性を最適化することでデジタルの工程に「手仕事の感性」を取り戻す「印刷美術」の理念を提示した。

多彩なトーン設計で魅せるモノクロの可能性

同社が提唱する「トーン設計」では、作品の意図に応じた緻密な版構成が紹介された。スミ1色で構成される「シングルトーン」から、ハイライトから中間調を豊かに表現する「ダブルトーンLLK」、さらに重厚感を追求した「クワッドトーン」など多彩な手法が並んだ。

特に「クワッドトーン(骨+HB+LLK+スミ)」は、4版を積層させることで平面の写真に立体感を与えつつ、写真独自の平面性は損なわないという高度な技術の結晶である。
会場では、展示された作品の質感や奥行きを前に「こんな表現の仕方があったのか」と驚きの声を漏らす来場者の姿も多く見られた。

博進堂は表現者が求める唯一無二の黒を演出し、グラフィックアーツ業界における新たな価値創出をリードしていく。

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