チャンスメーカー 福利厚生ギフトサービス「ちょこギフ」開始 印刷業から「機会創出」へ、多言語対応の「感謝の仕組み化」で挑むエンゲージメントの格差解消

チャンスメーカー株式会社は2月12日、東京都千代田区のLIFORK OTEMACHで、新たな福利厚生ギフトサービス「ちょこギフ」の発表会および事前説明会を開催した。取締役副社長の新堀孝一氏、事業推進室長の古市哲也氏が登壇し、110年を超える同社の歴史から導き出した「想いを届ける」ビジネスの神髄を語ったほか、ゲストを招いたパネルディスカッションでは外国人雇用と福利厚生の最前線が浮き彫りとなった。

福利厚生ギフトサービス「ちょこギフ」

チャンスメーカーは、従業員やその家族に対して、気軽に感謝やねぎらいの気持ちを届けることができる法人向け福利厚生ギフトサービス「ちょこギフ」の提供を開始した。

左からチャンスメーカーの新堀副社長、古市室長とUTスリーエムの筑井社長、若生氏、谷坂氏、山梨大学の名誉教授西久保氏

同サービスは、入社記念日や誕生日、繁忙期のねぎらい、日頃の感謝など、さまざまなタイミングでメッセージ付きギフトを届ける。メッセージ付きのはがきやノベルティを郵送で届けることで、デジタル中心のコミュニケーションでは伝わりにくい温度感のある承認を実現。メッセージは定型文から選択できるほか、送る相手やシーンに応じて自由にカスタマイズすることも可能となっている。
また、日本語を含む複数言語に対応しているため、外国人従業員を含む多様な人材に対しても、一貫したメッセージを届けることができる。これにより、特定の上司や管理職に依存しない、組織全体としての承認文化の醸成を支援する。

「ちょこギフ」公式ウェブサイト

印刷から「機会創出」へ、急成長を遂げるチャンスメーカーの歩み

1910年に印刷会社として創業した同社は、2005年のノベルティ通販サイト「販促花子」の開設を機に新しい分野へ大きく舵を切った。2019年には現社名へ改称し、DM・ノベルティの在り方を改めて再定義。単なる販促物ではなく「想いを形にして届けることで機会を創出する」ことで成長した。

その成果は数字にも表れており、売上高は2015年の13億円から2024年には71億円へと約6倍に急伸。顧客数もこの5年で約2倍の12万社へと拡大している。新堀副社長は「我々は単なる販促物を作る会社ではない。企業が伝えたい想いを、ノベルティやDMというコミュニケーションツールを介して確実に届ける『機会創出のプロ』である」と強調。その一方で、社会に蔓延する「離職率の高さ」や「感謝が届く人と届かない人の格差」という課題に対し、自社のノウハウを活かした解決策を提示した。

チャンスメーカーの歴史と展望を語る新堀副社長

自社の離職率を半減させた実体験から誕生した「ちょこギフ」

事業推進室長の古市氏は、「ちょこギフ」誕生の原点として自社の福利厚生改革を挙げた。同社で入社記念日や誕生日を祝う仕組みを導入したところ、2%だった離職率が1%へと改善。この「自分が会社に大切にされていると実感できる環境」こそが、エンゲージメント向上の鍵であることを確信したという。

新サービス「ちょこギフ」は、入社記念、大型連休、誕生日など年間を通じてギフトを提供する。デジタル化が進む今だからこそ、あえて「形あるギフト」を郵送で届けることで、温度感のある言語報酬を実現。5年後には13億円の事業規模を目指している。

古市室長が「ちょこギフ」の誕生背景と主要なポイントを語る

同事業で特筆すべきは、深刻な人手不足を支える外国人労働者への対応である。日本語、英語、ポルトガル語、ベトナム語、インドネシア語の5言語に対応しており、言葉の壁を越えて「企業からの感謝」を可視化する。年間1人あたり2,800円(単発550円〜)という低コスト設定で、上司のコミュニケーション能力に依存しない「承認の仕組み化」を支援する。

プランは入社年数や言語などに合わせて8種類用意されており、ロボット手書き技術を用いた手紙、多彩なノベルティなども贈ることができる。

「ちょこギフ」公式サイトwww.chokogif.jp

ちょこギフには現在8プラン用意されている
「ちょこギフ」で贈れるメッセージサンプル
ちょこギフで贈れるプチギフトサンプル

「選ばれる企業」への転換

後半のパネルディスカッションでは、1月から「ちょこギフ」をテスト導入しているUTスリーエム株式会社の筑井信行社長と、現場で働く日系ブラジル人の若生カルロス氏、谷坂ミホ氏、そして福利厚生の権威である山梨大学名誉教授で福利厚生戦略研究所の代表を務める西久保浩二氏が登壇した。

筑井社長は、約2,000人の日系ブラジル人が在籍する組織を率いる立場から、「選ぶ企業じゃなくて選ばれる企業にならなくてはならない」と語った。社員全員に直接会うことが物理的に困難な規模だからこそ、同サービスを通じ、「ギフトを届けることでブラジルの方にも気持ちよく入社してほしい」と、経営層の想いを可視化する重要性を強調した。

パネルディスカッションの様子

実際にギフトを受け取った当事者である若生氏は、素直な喜びとともに「上司が仕事をやってるのを見てくれてるのはありがたいと思った」と語り、同じく谷坂氏も「上の人から頑張りを認めてもらえるのは嬉しい、もっと頑張ってみようって気持ちになりました」と述べ、ギフトという形ある承認が直接的な労働意欲に結びついていることを示した。

これを受け、山梨大学名誉教授の西久保浩二氏は、現在の深刻な人手不足において、就活生が最も注目するポイントのひとつに「福利厚生の充実」があることを指摘した。賃金を引き上げるだけでは他社に追随され、一度上げれば下げることも難しい。一方で「福利厚生はオリジナリティも出せる」とし、「直接言語報酬を贈るという手法は大変新しく、時代にあっている」と評価した。

キーワードは「コミュニケーション」

ディスカッションの終盤、筑井社長は今後のさらなる施策として、派遣社員へ株を無償付与する資産形成支援の構想を明かし、「派遣社員がいつか筆頭株主になるような未来」を見据えた。これに対しカルロス氏は、言語学習の場の拡充や、自国の料理を楽しめる環境づくりなど、文化を尊重したサポートの継続を要望した。

最後に西久保氏は、「キーワードはコミュニケーション」だと総括。従業員同士、あるいは経営層と従業員が福利厚生を通じて対話を増やすことが、採用定着と心理的安全性の向上に直結する。

チャンスメーカーが提案する「想いを仕組みで届ける」というアプローチは、人口減少社会における人手不足対応の新たなスタンダードとなる可能性を秘めている。

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