【インタビュー】コスモテック:永井尚雄社長 印刷環境技術で産業を変える環境ソリューション企業へ コスモテックが描く〝持続可能な未来図〟

印刷周辺機器メーカーとして1978年に創業した株式会社コスモテックは、近年「水に関わる環境技術」を軸に事業領域を拡大し、環境ソリューション企業へと進化している。約10年前から東京・大阪・名古屋・福岡など全国で環境展・工場設備展などに出展。2025年には印刷業界以外の売上比率が35%を超え、2026年には50%に達する見通しだ。「環境・水・未来」を掲げる同社の技術は、印刷産業にとどまらず、多様な産業の脱炭素化を支える存在となりつつある。永井尚雄社長に、2026年への展望を聞いた。

2025年は、当社にとって大きな転換点となる一年でした。これまで印刷業界を中心に培ってきた水処理・環境技術が、他業界でも本格的に評価され始めたからです。
約10年前から他業界向け展示会への出展を進めてきましたが、ここ数年で環境技術はあらゆる産業に共通する課題となり、様々な企業からの相談や引き合いが急増しました。

象徴的なのが、水溶性廃液処理装置「FRIENDLY」です。上場企業を中心に導入が進み、廃液処理の省エネ化やCO2削減への関心が一気に高まりました。その結果、印刷以外の売上比率は35%を超え、来年には50%に達する見込みです。
国内市場で特に注目を集めた製品としては、廃液量を1/10に濃縮し、処理コストとCO2排出を大幅に削減する「FRIENDLY」シリーズがあります。また、産業用ハイプレッシャー加湿器「UruOs」「itsumo」は、電熱式の1/100という消費電力で加湿できる省エネ性能が高く評価されました。

さらに、湿し水冷却循環装置「TOPーONE CFG」は、インキ使用量を約15%削減し、印刷現場の脱炭素化に貢献しています。2025年に発表した電解式シリカ除去装置「SUKAI」も、洗浄総合展で大きな反響を呼び、他業界からの引き合いが急増しました。

水はすべての産業の基盤です。最適な水を求める動きは印刷業界に限らず、確実に広がっています。2025年は、当社の「水の技術」が産業横断で評価された一年でした。

国内では環境規制の強化やSDGsの浸透を背景に、企業の環境投資が着実に拡大しています。こうした流れの中で、水溶性廃液処理装置「FRIENDLY」シリーズや産業用ハイプレッシャー加湿器、電解式シリカ除去装置「SUKAI」などへの問い合わせが、印刷以外の工場からも増えています。

特に「SUKAI」は、半導体、食品、自動車といった幅広い業界から注目を集めました。シリカによる水質トラブルは多くの産業で共通の課題であり、水の最適化ニーズが業界を超えて存在していることを実感しています。

展示会は、当社にとって市場の変化を読み取る重要な場です。2023年から2025年にかけて、東京・大阪・名古屋・福岡などの展示会へ計20回出展しました。現場の担当者から直接、「環境対策を考えている」「廃液処理コストが高い」「湿度管理が難しい」「水質トラブルで設備が止まる」「シリカが原因で洗浄がうまくいかない」といった声を聞くことができました。「SUKAI」も、こうした展示会での声を起点に開発した製品です。展示会は技術を広げる場であると同時に、製品開発の原点でもあります。

印刷業界では2025年、日本印刷産業連合会が「2050年カーボンニュートラル宣言」を発出しました。印刷会社にとって、脱炭素化や省エネ化は避けて通れない課題です。
エネルギーコストの上昇、廃液処理負担の増加、温湿度管理の高度化など、現場の課題は多岐にわたりますが、根幹にあるのは「水の最適化」です。湿し水、加湿、廃液処理はすべて環境負荷に直結します。
こうした課題に向き合うため、当社は工場設備展や洗浄総合展など、印刷以外の展示会にも積極的に出展してきました。廃液処理、加湿、シリカ除去といった製品の多くは、現場の声から生まれたものです。展示会で得られるリアルな課題こそが、次の製品を生む原動力になっています。

当社は、省エネルギー・省資源・汚染予防を軸に、環境負荷低減を意識した製品開発を進めてきました。湿し水冷却循環装置、水溶性廃液処理装置、ハイプレッシャー加湿器など、すべての製品が「水」と深く関わっています。
 その水は、産業排水や生活排水、地球温暖化の影響で水質悪化が進み、将来への影響が懸念されています。水資源を適切に管理・運用することで、持続可能な社会を実現したい―その思いから、2018年の「IGAS2018」で「環境・水・未来」を当社のタグラインとして掲げました。

 脱炭素社会に向け、当社が取り組むテーマは三つあります。電力・水資源の使用を削減する製品開発、火気を使わない安全な処理技術の普及、そしてIoTによる脱炭素の「見える化」です。特に見える化は、企業が自ら環境負荷を管理する上で欠かせません。環境技術とIoTを組み合わせた新たな仕組みづくりにも挑戦しています。

2026年は、環境技術への需要がさらに高まる年になるでしょう。水溶性廃液処理装置、加湿器、シリカ除去装置はいずれも多業種での導入が進むと見ています。当社はこれからも〝水と向き合う企業〟として、持続可能な社会の実現と印刷産業の発展に貢献して参ります。

ケミカルフリー・マルチユニット湿し水冷却循環装置 TOP-ONE CFG 5000 / 6000

TOP-ONE CFGは、オフセット印刷にとって最適な湿し水を供給する今までにない画期的な湿し水冷却循環装置です。内蔵された各種高性能ユニットはオフセット印刷の高品質化、低コスト化を実現可能にする。3つの高性能ユニットを湿し水冷却循環装置内へ配置し本体と一体型で、印刷適性の高い湿し水を作り出す。特殊フィルターユニットで湿し水の汚れを濾過、クラスターボックスユニットで水を細分化、紫外線UVランプユニットで殺菌を行い、常に最適な湿し水を作り出し、印刷機に供給する。

ハイプレッシャー加湿器「UruOs-50」

高圧噴霧方式を採用し、最大50L/hの加湿能力を持つ加湿器。超省エネ設計により、消費電力を抑えつつ効率的な加湿を実現する。水道直結型であるため、補水の手間を削減し、エアープレッサー不要の静音設計となっている。

ハイプレッシャー加湿器「いつも(itsumo)」

全方位に噴霧が可能なポータブル加湿器。フィルター不要の構造で衛生的に使用でき、間欠運転機能を備えることで、効率的な加湿が可能となる。10L×2の給水タンクは持ち運びしやすく、さまざまな現場で活用できる。

水溶性廃液処理装置「FRIENDLY」

水溶性廃液の排出量を大幅に削減できる処理装置で、10、25、100、125L/hの処理能力を備え、さまざまな廃液に対応可能である。高い濃縮倍率を実現し、廃液処理コストを削減するほか、24時間連続で自動運転が可能なため、労働負荷の軽減にも貢献する。自動洗浄機能やタッチパネル操作など、使いやすさにもこだわった設計となっている。

水溶性廃液処理装置「FRIENDLY D-50」

従来の減圧蒸留方式では処理しきれなかった高濃度廃液などを処理「蒸発乾燥」する。FRIENDLY D-50は廃液を蒸発乾燥させ、減容化することで、大幅な処理コスト削減が可能。廃液処理に多くの手間とコストがかかっていたが、軽量コンパクト設計でメンテナンスが簡単。操作方法は廃液投入後、自動運転スタートボタンを押すだけなので、誰でも操作が簡単にできる。 廃液を蒸発乾燥させることにより、これまで処理できなかった廃液を安全に処理することができる。

電解式シリカ除去装置「SUKAI(スカイ)」

水道水に含まれる溶存シリカと硬度成分のカルシウム、マグネシウムを除去する。「SUKAI」は電気分解方式によって水道水中のシリカ成分の除去を目的に開発された装置で、「電解」と「中和」の2段階処理によって効率よくシリカを除去する。

分離膜・凝集剤を使用せず、電気分解方式を採用。排水量は10%の最小限に抑え、安定したシリカ除去を実現した。分離は凝集剤を使用しないでシリカ濃度に合わせて電解条件を変更。消耗品は電解用電極(陽極)、PH中和剤、濾過フィルターおよび塩(軟水化装置使用時)の4種類で、ROフィルターの交換頻度と交換費用に比べてランニングコストの低減が可能となる。RO装置のように大量の排水を出さないので水道使用料を抑えることができる。

切粉スラッジ固形化装置「ブリケット・システム」

切粉スラッジ固形化装置「ブリケット・システム」

工場内で発生する切粉やスラッジを高密度に圧縮し、減容化する装置である。ブリケッティング工程の自動化により、作業負担を軽減するとともに、産業廃棄物処理費用の削減にも貢献する。顧客のニーズに合わせたシステム設計が可能であり、効率的な廃棄物管理を支援する。

スラッジ回収装置「コスモバキューマーCV-1」

スラッジ回収装置「コスモバキューマーCV-1」

切削油と切削屑を同時に吸引できるスラッジ回収装置。電源を必要とせず、エアー駆動で稼働するため、どこでも手軽に使用できる。シンプルな構造により、操作が簡単でメンテナンスも容易である。

浮上油回収装置「FOR-Ⅲ」

浮上油回収装置「FOR-Ⅲ」

液面に浮いた油を瞬時に分離・回収する装置。浮上油だけでなく、有害物質の除去にも効果を発揮し、液の寿命を延ばすことで廃液量の削減につながる。高品質なステンレス仕様で耐久性に優れており、長期間の使用にも適している。

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