【倒産情報:兵庫県 大栄印刷株式会社 自己破産申請】
大栄印刷株式会社(神戸市中央区大日通)は、8月25日までに事業を停止し、自己破産申請の準備に入った。同社は、1937年(昭和12年)1月創業、56年(昭和31年)4月に法人改組された印刷業者。業歴80年を数え、A1サイズからのオフセット印刷を得意とし、大手住設機器メーカーやカーナビメーカーからの取扱説明書などの受注をコンスタントに獲得していた。このほか、事務用印刷として封筒や請求書なども扱い、得意先の要望に応じた小ロット・短納期で対応。神戸市内を営業エリアにメーカーや商社に販路を構築し、2002年3月期には年売上高約4億5000万円を計上していた。しかし、その後はペーパーレス化の流れを受け事務用印刷の需要が大きく低迷するほか、主力得意先の取扱説明書やマニュアルが2色刷から単色になったことで売り上げは減少傾向で推移。2024年3月期の年売上高は約1億3600万円にとどまり、慢性的な赤字で債務超過に転落するなど厳しい資金繰りを強いられていた。主力得意先以外の販路拡大に注力するほか、経費削減に努めていたが奏功せず、先行きの見通しが立たないことから事業の継続を断念した。負債は推定1億1000万円。