東京グラフィックスコンソーシアム 中間報告で事例情報共有

東京グラフィックサービス工業会コンソーシアムは10月27日、「団体別採用力スパイラルアップ事業」の中間報告会をオンライン開催し、参加企業が事業の前半で実施した取り組みや、後半の方向性などを発表した。

清水隆司会長
清水隆司会長

冒頭、東京グラフィックサービス工業会の清水隆司会長は「団体別採用力スパイラルアップ事業は、昨年実施した団体課題別人材力支援事業の後継事業で、『働き方改革』、『女性の活躍推進』をメインテーマに支援策を推進している。今年から中小企業も働き方改革が本格的に開始されるはずだったが、コロナ禍で曖昧になっている。コロナ禍が終息した際に対応できるよう、本事業で社内体制を整えて頂きたい。どこも厳しい経営状況に追い込まれている中、アフターコロナで商売に集中できるように、来年の経営を見据えた事業を推進しよう」と挨拶した。

同報告会は、事業全体の実施状況の確認から、自社のポジションを確認し、先行企業の事例を自社の参考にすることを目的に開催された。同事業では全8回対象15社の「個社別コンサルティング」、全18回対象25社の「各種セミナー」、全35回対象15社の「従業員コンサルティング」、対象6社の「リクルーティング動画制作」などの支援事業を展開している。コロナ禍で一時は滞ったものの、リモートでの取り組みを実施することで順調に推進している。

サンコーの有薗社長
サンコーの有薗社長

事例報告では、㈱サンコー(千代田支部)の有薗悦克社長、㈱インフォテック(三多摩支部)の古屋潤社長が取り組みの進捗を発表した。「おもいをカタチにする」を企業理念にグラフィック・プロダクトデザインを手がけ、印刷物やWebツールなどで表現するサンコーでは、残業時間の個人差を是正するため同事業に参加。当初、社員ごとに仕事のやり方を調査し、個別の問題解決を想定していたが、コロナ禍で状況が変わり方向転換を図った。同社では管理職に、ケーススタディを通じた実践的な研修を施し、組織体制の変革を推進している。

有薗社長は「コンサルティングを通じて、組織体制の最適化を図っている。会社全体の生産性向上により、個人ごとの問題が自動的に解決することを目指していく」と方針を表明した。

インフォテックの古屋社長
インフォテックの古屋社長

インフォテックは、地域密着型で大手キャラクター企業や近隣大学の冊子などをメインにDTP・デザインを手掛ける印刷会社。同社では以前に評価制度を策定したが実用性が低く、感覚で評価することが多くなっていた。同事業で評価技法のトレーニングなどを実施し、納得感のある評価を策定。

古屋社長は「『頑張った人が正当に評価される会社』『従業員満足度の向上』を目標として本事業に取り組んでいる。人事評価制度は人を育てるための制度として、筋の通った組織づくりを推進する」と報告した。

講演する佐藤氏
講演する佐藤氏

事例の後には特別セミナーが開催され、GENSENの佐藤文雄代表が「1on1ミーティングのススメ~働き方改革、変化の激しい時代に必要な対話型コミュニケーションとは~」をテーマに講演。部下の育成を促進する1on1ミーティングの秘訣や注意点を解説した。

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