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【ビジネス】アオヤギ
Iridesse™ Production Pressで新たな市場創造へ
デジタル印刷の強みと、特殊色の表現を活かす

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2020.5.8

アオヤギ株式会社は、福岡の本社および生産拠点でもある箱崎事業所をはじめ九州各地にある4か所の営業所を拠点に、コンテンツ制作や印刷事業だけでなく、最近では受付・問合せ対応や案内書の送付など印刷に関連する業務全般も行うBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)も展開している。市場の多様化・細分化、短納期化などを背景に、生産システムにおいては、徐々にデジタル化への移行を図っている。こうした中、2019年3月、既設のデジタル印刷機の代替えを兼ねて、富士ゼロックスのプロダクションプリンター「Iridesse™ Production Press」を導入。これを機に、これまでにない高付加価値印刷という新たな市場創造に取り組み始めている。同社社長の青柳泰一郎氏、ドキュメントソリューション部の工藤政博取締役部長、印刷ソリューション部の山本直史次長と矢壁国博課長に話を伺った。

 

付加価値の高いビジネスに挑戦

 

オリジナルカレンダー

オリジナルカレンダー

アオヤギが「Iridesse™ Production Press」を導入したのは2019年3月。導入目的について青柳社長は、イニシャルコストやランニングコストなど経済性の面に加え、「デジタル印刷機の代替えのタイミングでもあったことと、特殊色を活用した付加価値の高いビジネスを創造することにトライしたいと思ったことが契機となった」と語っている。

同社は、約9年前、A3サイズ対応の高精細のハイエンドデジタル印刷機を導入し、バリアブルあるいは小ロットのフルカラー印刷を行ってきた。その結果、デジタル印刷の生産が社内に定着。今では、オフセット印刷からデジタル印刷へ生産ラインを徐々にシフトしつつある。

デジタル印刷への移行を進める背景には、市場の変化が影響している。顧客側からは品質だけでなく、納品タイミングや総合的なコストに関する対応を求められており、オンデマンド性や無駄を生まないことで、そうした要求に対応している。

市場の変化に応じて、営業戦略にも変化が表れていると工藤部長。かつては受注内容によってオフセット印刷とデジタル印刷を使い分けていたが、最近は価格勝負になりがちなオフセット印刷よりも、付加価値をつけたデジタル印刷で勝負する戦略へ切り替えている。デジタル印刷にすることで必要最小限のものづくりと在庫レス化が実現し、バリアブルな表現が可能になるといったデジタル印刷のメリットが市場にマッチしてきている。

同社におけるデジタル印刷への取り組みは、メインターゲットの一つである教育産業のニーズが大きく影響している。教育産業は1人ずつ内容が異なるのが当たり前の市場になっている。加えて学校や塾の模試なども受注していることから、試験の当日、採点結果を集約し、次の日には学校に結果を配布するというハードな仕事もこなす。専用の仕組みを構築し、デジタル印刷システムを活用することで受注が可能になった案件でもある。

こうした経験もあって、「デジタル印刷ならではの特徴ある仕事をやっていきたい」と青柳社長は語る。これからのデジタル印刷ビジネスは、物流まで考えた仕組みづくりが必要だと指摘しつつも、「Iridesse™ Production Press」導入企業と連携した全国規模のビジネスモデルを構築したいとの願望も語っている。

 

新しいビジネスを生み出したい

 

Iridesse™ Production Press

Iridesse™ Production Press

「Iridesse™ Production Press」の導入から約1年が経過し、営業担当者もゴールド・シルバーといった「Iridesse™ Production Press」の特徴を生かした提案を行う傾向が強くなり、成果も現れるようになってきている。

例えば、政府が増税対策の一環で行っているプレミアム商品券の制作に関する案件も、「Iridesse™ Production Press」を活用することで偽造防止のための特殊な用紙が不要になり、生産コスト削減を実現しながら受注を果たした。さらに高級車のディーラーのイベントの招待状に同封するカード印刷の受注では、シルバーを作ったメタリックの表現力の高さが評価され、新規顧客からリピートユーザーへと関係性が向上した。

「Iridesse™ Production Press」によるメタリックやパール系の表現は、「お客様に見せると喜んでもらえて、そこから発注へ繋がります」と効果を語る。今後は化粧品メーカーなど特別な表現力を必要とする市場の獲得を狙っていきたいと意欲的だ。

なお、受注したプレミアム商品券の案件では、券面の印刷だけではなく、申請書の案内や受付などの窓口業務も含めた関連業務をトータルで受注することまで実現した。この仕事について青柳社長は、「まったく新しいチャレンジでした。Iridesse™ Production Pressがきっかけとなって獲得できた仕事です」と語る。

加えて昨年は、富士ゼロックスアジアパシフィックによるデジタル印刷作品を評価するコンテスト「PIXI(Printing Innovation with Xerox Imaging)アワード」において、同社が制作した「ロアッソ熊本 ロングタペストリー」がポスター部門で第1位を獲得した。同タペストリーはサッカーチーム「ロアッソ熊本」グッズとして開発。ナイロン素材のシータスに、「Iridesse™ Production Press」でゴールドの特殊トナー+フルカラープリントを行った長さ105㎝のタペストリー。今回の経験から、スポーツチーム関連の市場は、ゴールドやシルバーなどによるデザインの独自性を発揮できるのではないかと想定しており、これからはそうした領域にも積極的に取り組んでいきたいと考えている。

「Iridesse™ Production Press」を活用した高付加価値ビジネスについて、青柳社長は「提供価値は高いと思います。ただし、利益を確保できる定期的な仕事にしていくことも必要です」と指摘。そのためにも、「Iridesse™ Production Press」ならではの市場の創造が必要不可欠となってくる。「それには発想の転換も必要です。他にない新しいビジネスをどう生み出していくのか、それを試される時代がきていると感じています。すでに存在するものではなく、これからの時代に必要とされるものを作りたい。新しい価値を創り出し、提供していく。Iridesse™ Production Pressは、それができるシステムではないでしょうか」と期待を寄せている。