Adobe 生成AIプラットフォーム「AdobeFireflyボード」一般提供開始 2つの生成AIビデオモデルと3つの機能で幅広いクリエイティブ分野の活用に期待

アドビは、「Adobe Firefly ボード」の一般提供を開始した。Runway AlephとMoonvalley Mareyという2つの生成AIビデオモデルを搭載し、アイデア探索から試作、提案までを加速させる柔軟な環境を提供する。さらに、プリセット機能、画像内のテキスト編集、画像説明機能など3つの機能で、クリエイターの創造プロセスを根本から支援する。

3つの機能

Adobe Firefly ボードは「集め、整理し、発想し、リミックスし、創り上げる」ための無限の空間として設計された。これまでバラバラのツールや長いフィードバックを経ていた作業を一元化し、インスピレーションの獲得から生成、共有、修正までをシームレスに結び付ける。

  • プリセット:商品ビジュアル、キャラクター、ファッション試着、ポートレート変容などをワンクリックで生成。Black Forest Labs、Google、OpenAIなどの外部パートナーモデルとも連携。
  • 画像内のテキストを編集(Beta):ビジュアル内の文字を直接置き換え可能。作業の流れを中断せずに修正や試行ができる。
  • 画像について説明:気に入った画像を解析し、そのまま使える編集可能なプロンプトを自動生成。言葉探しの負担を軽減する。

これらの機能により、広告提案における複数ビジュアルの迅速な生成や、ストーリーボード制作の効率化、クライアントへの短時間での提案資料作成が可能となる。

新しいビデオモデル「Runway Aleph」と「Moonvalley Marey」

Fireflyボードでは、従来のLuma AI「Ray3」「Ray2」、Google「Gemini 2.5 Flash Image」「Veo 3」、Pika「2.2」、Flux.1「Kontext」などに加え、新たにRunway AlephとMoonvalley Mareyが利用可能となった。

「Runway Aleph」は参考動画を基に構図を導き、会話形式の編集でストーリーボードを洗練できる。一方「Moonvalley Marey」は参考画像からモーションクリップを生成し、ブランドアセットやFirefly生成画像と組み合わせることで、ビジュアルストーリーを短時間で構築できる。これにより映像制作やブランドキャンペーンの現場で、これまでにない効率的なワークフローが実現する。

柔軟な新サブスクリプションプラン

アドビは同時にFireflyのサブスクリプションプランを刷新し、「Standard」「Pro」「Premium」の3プランを提供する。Photoshop(Web・モバイル版)やAdobe Expressプレミアムが含まれるほか、すべてのプランで生成AI機能への無制限アクセス、無制限のボード作成、外部パートナーAIモデルへの利用権限が付与される。Creative Cloud Proメンバーも同様にプレミアム生成AI機能を利用可能で、既存ユーザーへのシームレスな移行も保証されている。

今回のアップデートにより、Adobe Fireflyは生成AIとコラボレーションを前提とした新しい創造環境を提示。ビジュアル制作、映像編集、広告提案からブランド戦略に至るまで、幅広いクリエイティブ分野での活用が期待される。

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