富士フイルムBI Super EA-Ecoトナーの生産能力を増強、他社への供給も拡大、製造プロセスではCO2削減も

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社(富士フイルムBI)は、生産子会社である富士フイルムマニュファクチャリング株式会社の富山事業所において、高い環境性能を誇るSuper EA-Ecoトナーの製造ラインを増設する。これにより富山事業所における年間生産能力を約30%向上させる。
増設ラインの稼働は2023年12月を予定しており、同ラインに要する設備投資額は約15億円。

増設する製造ラインは、業界トップクラスの低温定着性能による省電力化と最小クラスのトナー粒径による高画質化を両立するSuper EA-Ecoトナーの専用ラインで、同社が新たに開発したトナー製造プロセスを導入する。それにより、従来、トナー材料を微粒子化する際に使用していた添加剤が要らず、製造プロセスで生じていた添加剤除去の工程やエネルギーが不要となり、トナー製造時のCO2排出量を従来プロセスと比較して約12%削減できる。
今後、富士フイルムBIは、Super EA-EcoトナーのOEMと外販ビジネスの拡大を通じ、他社への供給を広げていくとともに、顧客先で複合機・プリンターを使用する際に発生する消費電力の低減で商品提供を通じた脱炭素社会への貢献をさらに拡大していく。

富士フイルムBIは、複合機・プリンターのエネルギー消費効率を高める技術開発に積極的に取り組んでいる。通常、トナーを紙に定着させる工程は、トナーを瞬時に高温溶融して定着させる必要がある。そのため、トナーの紙への定着工程は最も電力を消費する工程で、その消費電力は全体の約70%を占める。
Super EA-Ecoトナーは、低温でも溶融する特長を有し、従来のEAトナー(EA-HGトナー)と比較しても、約30~35℃低い温度で定着できるため、消費電力を低減することができる。またSuper EA-Ecoトナーは業界最小クラスのトナー粒径であるため、高画質化だけでなく、少量のトナーで画像を形成でき、転写効率を向上することが可能。トナー使用量の削減に繋がるため、省資源化にも寄与する。

今後、同社は少ないエネルギーで高精細な印刷が可能なSuper EA-Ecoトナーをさらに普及させることで、顧客先の使用環境における消費電力の低減とCO2排出量削減に貢献する。

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