大日本印刷 hontoとセブンネットがサービス連携へ コンビニ受け取りで「本との接点」を再構築、出版流通の未来を支援

大日本印刷株式会社(DNP)は、株式会社セブンネットショッピングと連携し、9月1日より、DNPグループが運営するハイブリッド型書店「honto」と「セブンネットショッピング」のサービス連携を開始する。年度内には「honto」上から「セブンネットショッピング」の書籍注文が可能となり、全国のセブン-イレブン店舗で受け取れる新たな書籍受取サービスが実現する。

書店のない地域にも「読書の選択肢」を

全国の書店数が減少するなか、「本が買える場所」の多様化が求められている。2024年には全国自治体の28%に書店が存在せず、2025年3月には一部のコンビニで雑誌・書籍販売の終了が予定されるなど、出版流通の課題が浮き彫りになっている。

そうした背景を受け、今回の連携では「honto」の商品ページに「セブンネットショッピング」への遷移ボタンを設置。購入者は自宅近くのセブン-イレブンでの受け取りを選択できるようになる。これにより、「書店受け取り」と「コンビニ受け取り」の両選択肢が用意され、利便性の向上が期待される。

honto.jp商品ページでの連携イメージ

書籍販売の新たな体験と物流モデルを構築へ

現在「honto」は、株式会社トーハンの「e-hon」とも連携しており、書店での送料無料受け取りサービスが利用可能。今回の「セブンネットショッピング」との連携により、セブン-イレブン約2万2千店舗が新たな受け取り拠点として加わる。

また、「セブンネットショッピング」では電子書籍ページから「honto」へのリンクを設け、両サイト間の相互送客を可能にする設計となる予定。書籍の販売拡大にとどまらず、両社共同での限定書籍の展開や、コンビニという生活動線上での新たな「本との体験」の創出にも注力していく。

加えて、DNPはこの連携を通じて、コンビニ流通網を活用した出版物流の効率化についても検討を進めるとしている。

DNPがめざす出版流通の未来像

DNPグループは、「honto」を読者と出版社の架け橋とするだけでなく、「本が読まれ続ける未来」の実現に向けて、本の「つくり方」や「届け方」の変革に取り組んでいる。今回の連携はその一環として、生活者の読書スタイルをより柔軟で身近なものにする狙いがある。

今後もDNPは、さまざまな企業や流通基盤との連携を通じて、本と生活者の接点を広げる挑戦を続ける方針だ。

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