大日本印刷 DNPグループの丸善雄松堂、香川大学、四国水族館が産官学協働 ~「みどころキューブ」で地域課題可視化で課題解決、新たな挑戦へ

大日本印刷株式会社(DNP)は、DNPグループの丸善雄松堂株式会社および香川大学と連携し、香川県宇多津町の四国水族館で、産官学協働による地域課題の解決に取り組むプロジェクトを開始した。

同プロジェクトは、香川大学と四国水族館の包括連携協定のもと、大学生が地域課題に主体的に関与する機会を創出するもの。学生はデザイン思考を取り入れ、ユーザー目線での課題分析と情報発信の最適化に挑戦している。

「四国水族館まる見えキューブ」の画面イメージ

体験型コンテンツ「みどころキューブ®」の導入と効果

DNPが開発した「みどころキューブ®」は、立体的なインターフェースを通じて情報を多角的に閲覧できるデジタル鑑賞システム。仮想空間上で立方体を自由に操作することで、閲覧者の興味を喚起し、理解を深めることが可能となる。
今回のプロジェクトでは、学生が「四国水族館まる見えキューブ」と題したコンテンツを企画・制作。来館者が水族館の展示コンセプト「四国水景」をより深く理解できるよう、色彩設計や希少性による分類、相互リンクによる情報拡張などの工夫が凝らされている。
同プロジェクトは、クロスアポイントメント制度を活用し、大学・企業・自治体の人材が垣根を越えて協働する仕組みである。香川大学と包括連携協定を締結している四国水族館との連携により、学生主体の課題解決が実現した。

来館者調査を踏まえた情報設計の工夫

香川大学の学生たちは、来館者へのアンケートを通じて、展示内容に対する理解の乏しさという課題を発見した。多くの来館者はSNSやWebサイトで情報を得てから訪問していたものの、館のコンセプトまで理解していない実態が明らかになった。

この課題に対し、学生はCMSを使ってコンテンツを自ら編集し、展示生物に関連する情報や動画を組み込んだ。生物同士の関係性をキーワードでつなげる構成により、館内を回遊するようなインタラクティブな体験が可能となった。

左上:キューブの全体イメージ、右上:学生視点での解説とキーワード設定、左下:フロアマップ上での位置付け、右下:動画へのリンク設定

今後の展開と教育現場への応用

DNPは今回の取り組みを活かし、大学などの教育機関とミュージアム等との「博学連携」を促進し、地域の課題解決や活性化に貢献していくとしている。
また、教育現場の声を反映し、教職員および児童・生徒の双方が「みどころキューブ®」をより活用しやすくなるよう、編集機能の利便性向上を目的としたバージョンアップや、ヘッドマウントディスプレイなどの機器を用いたMR(複合現実)体験の提供も進めていく方針。

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