凸版印刷 電子チラシサービス「Shufoo!」でフードロス意識調査、ロスしがちな野菜1位はキャベツ、値上げが意識に影響も

凸版印刷株式会社と、グループ会社である株式会社ONE COMPATHは、 ONE COMPATHが運営する電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」を利用する全国の男女22,248名を対象に、フードロスに関する意識調査を行い、その結果を発表している。
それによると、フードロス削減の意識度は75.1%、実施度は68.7%と多くの人が意識して取り組んでいること、地域によって差があり比較的西日本の方が意識・実施度共に高いことなどが明らかとなった。また食品値上げがフードロス削減の意識に影響を与えると回答した割合が6割を超えたほか、具体的な取り組み内容では「賞味期限を意識している」が最多の64.2%となった。

フードロス削減の意識度75.1%、 実施度68.7%。 6.4ポイントのギャップはあるが高い数値

フードロスの削減について、「日常的に意識している」人は75.1%で、 「実際に取り組んでいる」人は68.7%だった。「意識している」人と「取り組んでいる」人の割合は6.4ポイントの差があり、意識しているものの実際には取り組めていない層もいるようだ。しかし近年、「フードロス」やフードロスの削減をテーマに含む「SDGs」といったワードを目にする機会が増えた影響か、多くの人が意識し実際に取り組んでいることが分かった。

意識度・実施度共に西高東低、 トップ3は全て西日本の県
フードロス削減の意識度と実施度について都道府県別に見てみると、意識度では1位から順に山口県、 熊本県、高知県が、実施度では熊本県、島根県、宮崎県となり、どちらもトップ3は全て西日本の県だった。
上位20位中で見ても西日本エリアが多く、意識度では12府県(トップ3ほか愛媛県、和歌山県、奈良県、福岡県、宮崎県、兵庫県、滋賀県、大阪府、京都府)が、実施度では13府県(トップ3ほか福岡県、愛媛県、京都府、滋賀県、兵庫県、奈良県、大阪府、大分県、岐阜県、鳥取県)がランクインした。一方で、北海道・東北地方はいずれにもランクインしていない。食品の保存には寒い地域の方が向いていることから、地域の気候やそれに伴って育まれてきた文化が影響していると考えられそうだとしている。
なお東日本エリアでは首都圏が多く、意識度では上位20位にランクインした東日本8都県のうち首都圏が5都県(神奈川県、東京都、群馬県、千葉県、埼玉県)、実施度では7都県のうち5都県(神奈川県、東京都、群馬県、埼玉県、千葉県)だった。東日本のトップは共に神奈川県で、どちらも4位だった。

食品の値上げがフードロス削減の意識に影響6割超

原材料・原油価格の高騰やロシアによるウクライナ侵攻、 急激な円安などさまざまな要因で食品の値上げラッシュが続いているが、この「食品の値上げ」がフードロス削減への意識に影響を与えているかについても聞いている。
すると「影響がある」が22.5%、「やや影響がある」が38.3%あり、合わせて60.8%が影響があると回答した。食品の値上げは、 フードロス削減の意識に大きな影響を与えていることがわかる。

取り組み内容、 「賞味期限の意識」が1位。 エシカルポイントやリボベジ人気がじわじわ

フードロス削減の取り組みをしている人を対象に、実際に何に取り組んでいるのかを聞いている。それによると1位は「食材・食品の賞味期限を意識している」64.2%で、2位と10ポイント以上の差をつけトップである。2位は「冷蔵庫に入っている量を把握する」50.7%、3位は「食品・食材を購入しすぎない」46.3%だった。
具体的な取り組み内容について自由回答で聞くと、「買いすぎない」 「余った食材でレシピ検索する」 「野菜の皮を野菜チップスにする」 「家庭で余った食べ物を寄付するフードドライブを活用する」など物理的にロスを減らすアイデアや、冷凍保存や真空パックの活用など保存期間を長くするアイデアなど、多彩なアイデアが多数報告された。また、人や社会、環境に配慮した消費行動を意味する「エシカル消費」をすることでポイントが付与されるシステムを活用するという意見や、「リボベジ」をするという意見もいくつか見られた。
「リボベジ」とは、リボーンベジタブルの略で、野菜の根っこやヘタなど、調理の時に捨ててしまいがちな部分を使って再生栽培をすること。フードロス削減に繋がるだけでなく、節約にもなることから近年人気となっている。

フードロスしがちなもの、 期限が延びて欲しいもの、 共に「野菜・果物」が1位

「つい捨ててしまう・食べ切るのが難しい食品・食材」 「賞味期限・消費期限が延びればいいと思う食品・食材」について、それぞれ選択肢の中からあてはまるものを全て選択してもらっている。それによると、どちらも1位になったのは「野菜・果物」だった。
「つい捨ててしまう・食べ切るのが難しい食品・食材」では、2位の「調味料」と15ポイント差となり、「賞味・消費期限が延びればいいと思う食品・食材」では、2位の「卵・牛乳・乳製品」と12ポイントの差をつけた。「賞味・消費期限が延びればいいと思うもの」は、2位「卵・牛乳・乳製品」、3位「肉・肉加工品」、4位「魚・魚加工品・魚介類」で、 生鮮食品や比較的消費期限の短いものが上位に並んだ。

フードロスしがちな野菜、 1位キャベツ、 2位ゴーヤ、 3位にんじん・だいこん
「つい捨ててしまう・食べ切るのが難しい食品・食材」の中で1位になった「野菜・果物」について、さらに具体的に聞いている。
農林水産省が定めた指定野菜14品目、指定野菜に準ずる重要な野菜として定められた特定野菜35品目の中から、「つい捨ててしまう・食べ切るのが難しい野菜」を複数選択で聞いたところ、結果は1位から順に「キャベツ」14.7%、「ゴーヤ(にがうり)」14.0%、「にんじん」11.9%、「だいこん」11.9%となった。
1つが大きいキャベツや大根、1袋に複数本が入っているにんじんは使い切ることが難しいと感じる人が多いようである。また2位の「ゴーヤ」は、6位の「みつば」、10位「セロリ(セルリー)」と同様、レシピが限られる印象が強いことからランクインしていると考えられるとまとめている。

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