キーポイント 環境規制や人件費への対応で中国POD市場の成長を予測

キーポイントインテリジェンスは、「2018年中国デジタル印刷機(POD & CDLP)市場動向と予測」を発表した。同調査では、POD(チラシ、カタログ、ダイレクトメールなど商業印刷物向けのデジタル印刷機)についてと、Color Digital Label & Packaging(CDLP)について報告している。CDLPには、カラーのラベルおよびパッケージ(軟包装、紙器、段ボール)向けのデジタル印刷機が含まれる。

keypoint_中国CDLP予測

同調査によると、2017年の中国におけるPOD販売台数はワールドワイドの7%にあたる約1万4,000台で、年間総印刷ボリュームは2017年から2022年にかけて年間平均成長率(CAGR)6.2%の割合で成長することが見込まれている。

中国では2016年に改訂版大気汚染防止法が施行されたことから、オフセット印刷機を所有するコマーシャルプリンターなどは郊外への移転を迫られるなどの制限が起きている。こうした環境規制の厳格化は、オフセット印刷機からデジタル印刷機への印刷ジョブのシフトを促している。また、人件費の上昇や高画質なデジタル機の登場が印刷会社のデジタル印刷機への関心を高めている。

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またCDLP販売台数については、ワールドワイドの8%にあたる約80台で、年間総印刷ボリュームでは2017年から2022年にかけて、年間平均成長率(CAGR)33%の割合で成長することが見込まれる。アプリケーション別では、2017年はラベルが販売台数の97%、年間総印刷ボリュームの88%を占めており、紙器、軟包装は販売台数の3%、年間総印刷ボリュームの12%に留まっている。なおキーポイントインテリジェンスでは、2022年には紙器、軟包装は販売台数の11%、年間総印刷ボリュームの24%を占めると予測している。

中国では、パッケージ印刷市場が継続して成長していること、商業印刷市場が成熟していることから、印刷会社のラベル、パッケージ印刷への関心が高まっている。また、ラベル、パッケージ印刷の印刷ジョブの小ロット化が徐々に進んでいることからデジタル印刷機への投資が増えている。

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