電通 「ジャパンブランド調査2025」で世界20地域で日本が「再訪したい国」1位に 食・地方から読み解く最新インサイト

株式会社電通は、世界20の国・地域の20~59歳の男女12,400人を対象に「ジャパンブランド調査2025」を実施した。同調査は2011年に開始され、今年で15回目。訪日観光や食、日本文化、日本製品、価値観など幅広いテーマを通じて、日本ブランドに対する海外生活者の意識と実態を探る。

調査期間は2025年5月20日から6月22日まで。アメリカ・中国本土が各1,600人、インド1,200人、韓国・台湾・イギリス各800人、その他の国・地域は各400人から回答を得た。

「再び訪れたい国」日本が1位に

調査結果によると、日本は「再び観光に訪れたい国」として52.7%の支持を集め、韓国(20.0%)やアメリカ(16.6%)を大きく引き離し首位となった。調査対象市場のうち13の国・地域で日本が1位を獲得しており、円安効果にとどまらず、日本の食や文化、製品の魅力が継続的な人気の背景にあることが示された。

再訪意向は年々上昇しており、2023年30.6%、2024年34.6%、2025年には52.7%へと急伸。円安効果が主因とされがちな訪日需要についても、食や製品への信頼感が訪日動機の中心であることが明らかとなった。

訪日体験の関心は「和食」「自然景勝地」「四季」

訪日時に関心がある体験項目としては「和食」(56.4%)、「自然景勝地」(45.3%)、「四季の体験」(39.3%)が上位を占めた。特に「桜の花見」(59.2%)は日本を象徴する体験として圧倒的な支持を集めている。

一方で、日本らしさの象徴としては「寿司」(42.2%)、「桜」(42.0%)、「富士山」(41.0%)が挙げられたが、Z世代においては「マンガ・アニメ」が上回るなど、世代や訪問経験による差異も見られる。

コンビニでは寿司、ドラッグストアではスキンケアが人気

訪日時の買い物意向では、コンビニの利用率(32.9%)がドラッグストア(24.1%)を上回った。購入意向の高い商品は、コンビニでは「寿司」(46.9%)や「アイスクリーム」(45.1%)、ドラッグストアでは「スキンケア」(45.9%)や「メイクアップ」(38.7%)が上位を占めた。

お土産では「和菓子」(43.1%)、「チョコレート菓子」(41.4%)、「工芸品」(40.0%)がトップ3に。各国・地域によって嗜好の差も顕著で、中国ではお茶、タイでは衣料品、米国では化粧品への関心が高いことが分かった。

地方訪問者の満足度・再訪意向はともに9割台

都道府県別の認知度・訪問意向は東京都が最も高く、北海道、大阪府、京都府が上位を占めた。主要都市別では札幌市、大阪市、京都市が群を抜いている。

地方部のみを訪問するケースは依然として少ないものの、一度でも訪問した旅行者の満足度は96.2%、再訪意向は93.4%と非常に高い水準を記録した。温泉地の認知度については国・地域で差が大きく、カナダでは非認知率が74.9%に達するなど、欧米圏では情報発信の課題が浮き彫りとなった。

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