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日印産連・全国グラビア 「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」で経産省と意見交換

日本印刷産業連合会(藤森康彰会長)及び全国グラビア協同組合連合会(田口薫会長)は、3月9日に閣議決定され今国会で審議入りしたプラスチックゴミの削減と再利用拡大を目指して提出された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」に関して、5月12日に経済産業省資源循環経済課との意見交換を行った。

同法案は、①プラスチック廃棄物の排出の抑制、再資源化に資する環境配慮設計、②ワンウェイプラスチックの使用の合理化、③プラスチック廃棄物の分別回収、自主回収、再資源化の3つを基本方針に掲げ、2022年度からの施行を目指すとしている。

同法案の中で、今後プラスチック製品の製造事業者は、プラスチック製品の設計・製造過程で環境配慮設計を行うことが推奨される。また、指定調査機関により、環境に配慮した製品設計となっているかの認定を受けることになる。そこで、認定基準の考え方や既に印刷業界として運用している環境自主基準「印刷サービスグリーン基準」との関係性や、容器包装製造事業者の廃棄物の自主回収の運用、容器包装リサイクル法、廃掃法との関連性、法令の解釈や運用上の懸念点及び業界としての要望事項について意見交換した。

また、全国グラビアからは、軟包装材とその印刷品質に対するクライアントからの過剰スペック要求が印刷材料や食材の廃棄に繋がっている実態もあり、資源循環や取引慣行として大きな課題であるとの認識を説明した。

印刷業界は食品包装用のフィルムや医薬品、トイレタリー製品などの安全・安心を要求される軟包装資材並びに成型加工容器など、多くのプラスチック製品を製造している。重量ベースでは生産量の80%以上を食品関係が占める。プラスチックは「中身である食品の品質保持」「様々なバリア性の向上による賞味期限の延長」「電子レンジ対応など機能性の向上」「輸送効率」「低価格の実現」など有益な素材であり、プラスチックが食品業界を始めとする多くの業界に与える価値は極めて大きいことから、プラスチックの有効性を周知し、「プラスチックを正しく使い、正しく捨てる」ことを念頭においた活動を推進している。

特に、自主的な3R(リユース、リデュース、リサイクル)の活動や、ムダロス削減、分別回収の徹底、得意先やステークホルダーと連携した「モノマテリアルの採用」「生分解性フィルムやバイオマスプラスチック採用」「再生プラスチックの活用」など、プラスチック資源循環を積極的に進めている。

さらに、海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化等への対応を契機として、国内におけるプラスチックの資源循環を一層促進する重要性が高まっている。同法案は、多様な物品に使用されているプラスチックに関して包括的に資源循環体制を強化し、製品の設計からプラスチック廃棄物の処理までに関わるあらゆる主体におけるプラスチック資源循環等の取組(3R+Renewable)を促進するために提出された。

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