大日本印刷&BnF ミュージアムラボ「これからの文化体験」でXR技術が体験できる

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「みどころグラス」で現物とデジタル情報をあわせて鑑賞(展示されている壺は3Dプリンタで作成されたレプリカ)©DNP Dai Nippon Printing Co., Ltd. [2021], with the courtesy of the Bibliothèque nationale de France.

大日本印刷(DNP)とフランス国立図書館( Bibliothèque nationale de France  :BnF)は、BnF × DNPミュージアムラボ 第2回展「これからの文化体験」を、4月15日から開催している。

同企画展は、BnFのリシュリュー館のリニューアルプロジェクトに合わせて開設するミュージアムにおいて、同プロジェクトに参画し、技術協力しているDNPが、そのプロジェクトの成果を披露する一つの機会として企画されたもの。

具体的には、リシュリュー館のリニューアルプロジェクトに伴いデジタルデータ化された、貨幣、メダル、古代美術部門の貴重な作品21点と、BnFの歴史的空間であるマゼラン・ギャラリーの天井画を鑑賞できる。会場はDNP五反田ビル、7月11日まで。

なお、企画展の開催に先立ち、4月14日、日仏オンライン記者発表会が行われ、公開する内容が紹介された。

BnF_ロランス・アンジェルさん
BnFのロランス・アンジェル館長

会見冒頭、あいさつしたBnFのフランス・アンジェル館長は、BnFの歴史的空間であるマザラン・ギャラリーの天井画(約6万㎡)の改修についても触れ、「改修後は新たな展示スペースは一般の人にも公開される。今回のデジタルを活用した鑑賞で新たな発見があると思う。マザラン・ギャラリーの天井画や高精細にデジタル化された作品群などは世界初ではないか。3D化され、あらゆる角度から鑑賞できるなど、元々の体験とは異なるもう一つの有意義な体験ができる。今はコロナ禍で移動ができないが、デジタル技術を活用して旅をし、胸を膨らませる経験を提供できることをうれしく思う」と語った。

DNP‗北島氏
DNPの北島元治専務執行役員

またDNP専務執行役員の北島元治氏は、「リシュリュー館に新設されるミュージアムで書籍や貴重なコレクションについて、情報連携でより分かりやすく公開していく先進的な取り組みを計画していると聞き、賛同・参画することになった。リシュリュー館の再生計画に伴う文化普及と文化遺産の継承の両立という素晴らしい取り組みに協力できてうれしく思う」と経緯を開設。またこれまでのDNPによる取り組みについても、デジタル技術を活用し、誰もが文化芸術に親しめるDNPミュージアムラボを行ってきたこと、「今回は、リシュリュー館のリニューアルプロジェクトに伴い、貨幣、メダル、古代美術部門の貴重な作品21点とBnFの歴史的空間であるマゼラン・ギャラリーの天井画の3Dデジタル化に取り組んだ。技術的に困難といわれた金属など光を反射する作品や、細かな凹凸・細工が施されている立体作品を、あらゆる角度から細部にわたって鑑賞可できる3Dデジタル化にも成功した」と報告。また幅8m、奥行き45mの大空間に広がるマゼラン・ギャラリーの天井画については、全体を高精細撮影することで細部の鑑賞に堪えうる高品質なデジタル化が実現したと解説した。

コロナ禍によりBnFの所蔵コレクション展示は行わないものの、「作品や人の移動が物理的制限されても、デジタルデータを活用することで、新しい知識と出会い、興味を広げられる新しい文化体験の構築に挑戦した。作品のデジタルデータと多種多様な情報連携をして、VR、XR技術活用した本物の作品展示だけではない、より楽しめる文化体験を紹介したい」と同展示会について語った。

なお、今回開発した鑑賞したシステムの一部が、リシュリュー館にも導入される。

続いて、フランス大使館からのお祝いのメッセージ、BnFのカラレノン・サカノバ氏とDNPの室田秀樹氏から、プロジェクトについて説明があった。

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デジタル化されたコレクションを様々に鑑賞できる ©DNP Dai Nippon Printing Co., Ltd. [2021], with the courtesy of the Bibliothèque nationale de France.

BnFは、14世紀に王立図書館として創設。歴代のフランス国王から受け継いだ約4,000万点以上の文書コレクションを収集・所蔵・公開する世界屈指の図書館。

今回、同館のリシュリュー館を創設(1721年)以来、初めて全館改修する「リシュリュー・ルネサンス・プロジェクト」が進められており、2022年にリニューアルオープンが予定されている。このプロジェクトは300年に1度の国家プロジェクトとも言われているもので、リニューアル後は、これまで研究者など一部の人にした入場が制限されていたところを、新たなミュージアムを設置して貴重なコレクションや資料などをデジタル技術も活用して、広く公開していく予定となている。
DNPでは、BnFのコレクションや空間のデジタル化及び展示システム開発を 担当しており、同プロジェクトの成果を広く公開する機会の一つとして、リシュリュー館のオープンに先駆けて同展が開催される。

特に、新型コロナウイルスの影響で作品や人の移動が物理的に制限され、BnF所蔵作品が展示されない状況のもと、デジタルデータを活用して人々が知識と出会い、興味をひろげる、新しい文化体験のモデ ルの構築に挑戦する内容となっている。DNPでは、このモデルの拡大にむけて企業・団体等とのパートナーシップの構築と、一般公開を行うことで、生活者に鑑賞体験の機会を広く提供し、より多くの文化芸術作品をデジタル化し、公開や活用する機会を一層広げて行きたいとしている。

<BnF × DNPミュージアムラボ 第2回展「これからの文化体験」開催概要>

会期 :4月15日(木)~7月11日(日)

開館時間:月~金 10:00~12:00 / 13:00~17:30

会場:DNP五反田ビル1階(東京都品川区西五反田 3-5-20)

観覧料:無料 *要予約制

一般の問い合わせ先: https://www.museumlab.jp/bnfRichelieu

*別途、法人窓口あり

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