ジャグラ 第28回日本自費出版文化賞、入賞作品が決定 大賞該当なし、色川大吉賞に竹内尚代氏『私のことはわたしが決める』
一般社団法人日本グラフィックサービス工業会主催、NPO法人日本自費出版ネットワーク主管の「第28回日本自費出版文化賞」入賞作品が、決定した。
最優秀作品に贈られる「大賞」は該当作品がなかったが、「色川大吉賞」には竹内尚代氏の『私のことはわたしが決める―松本移住の夢をかなえたがん患者、77歳―』が選ばれた。
第28回日本自費出版文化賞の最終選考結果発表会は、9月1日に東京都・吉祥寺東急REIホテルで開催され、今年は805点の応募があり、昨年の718点を上回った。
大賞は該当なし、色川大吉賞に竹内尚代氏
色川大吉賞のほか部門賞7点と特別賞7点、シルバー特別賞1点が入賞した。大賞は第6回(2003年)以来となる「該当なし」となったが、昨年創設された「色川大吉賞」には竹内尚代氏(個人誌部門)の『私のことはわたしが決める』が選ばれた。また、「シルバー特別賞」には、入選者の中で最高齢となる田邉泉氏(89歳)の『命の一升瓶―パラオからの引揚線―』(個人誌部門)が選出された。
各部門賞の受賞作品
- 地域文化部門:『紙で残す私の1枚』刊行委員会〈編〉
- 個人誌部門:『もやいの海』菅原洋一氏
- 小説部門:『あたし、お地蔵さんになれるかな?運がいいとか悪いとか』東英文氏
- エッセー部門:『実話 税務調査』照伝光氏
- 詩歌部門:『匙のうら』森羽久衣氏
- 研究・評論部門:『関東大震災・検見川事件』島袋和幸氏
- グラフィック部門:『大人の健康づくりと子育てのことをマンガにしてみた。』かさね氏
特別賞・協賛各社賞
- 地域文化部門:『足尾鉱毒事件 一人ひとりの谷中村』永瀬一哉氏(コニカミノルタジャパン賞)
- 個人誌部門:『みちのく朝日連峰山だより』西澤信雄氏(リョービMHIグラフィックテクノロジー賞)
- 小説部門:『ファインダーの中の戦場』謝名元慶福氏(ハイデルベルグ・ジャパン賞)
- エッセー部門:『今日も世界の片隅で』宮澤豊孝氏(キングコーポレーション賞)
- 詩歌部門:『別れと知らず』名嘉真恵美子氏(ショーワ賞)
- 研究・評論部門:『ex-dreams―もうひとつのミッドセンチュリーアーキテクチャ―』福島加津也氏ほか(ホリゾン・ジャパン賞)
- グラフィック部門:『FOOD ART―Moment of beauty―』袴田尚弥氏(富士フイルムグラフィックソリューション賞)
シルバー特別賞
個人誌部門:『命の一升瓶―パラオからの引揚線―』田邉泉氏(コダック賞)
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日本自費出版文化賞の意義
日本では毎年数万点の書籍が発行されているが、自費出版物は大きな流通ルートには乗らない。こうした出版物は、一般書籍と並ぶ文化的価値を持つ一方で、著者の労苦が十分に報われない現状がある。
日本自費出版文化賞は、自費出版に光を当て、著者の功績を称え、出版文化の多様性と活性化を促進することを目的に創設された。
表彰式は11月8日、アルカディア市ヶ谷で開催
第28回日本自費出版文化賞の表彰式は、11月8日(土)に東京都千代田区・アルカディア市ヶ谷で行われる予定。大賞こそ該当なしとなったものの、入賞作品や受賞者の功績を広く顕彰する場となる。