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埼玉県工組 社会課題を解決するアウトサイダーアートとのコラボカレンダーを製作、販売中【動画あり】

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「第6回新商品・新サービス合同記者発表会」集合写真

埼玉県印刷工業組合は、10月8日、パレスホテル大宮で行われた埼玉県中小企業団体中央会主催の「第6回新商品・新サービス合同記者発表会」に参加し、障害者によるアート“アウトサイダーアート”を採用した2022年用カレンダーづくりについて発表した。発表の模様はYoutubeでもライブ配信された。

この取り組みは、印刷組合が中核となり、社会の課題を解決するためのプロジェクトとして取り組んだもので、カレンダーは企業向けに50社限定(1セット100部)で販売し、名入れ印刷も受け付ける。

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惠理事長(左)と丸山副理事長

埼玉県工組が作成した「KOBO‐SYUオリジナルアートカレンダー2022」は、アウトサイダーアートを採用したカレンダー。印刷業界初となる印刷工業組合と社会福祉法人みぬま福祉会 工房集とのコラボレーションで実現したもの。

工房集とは、みぬま福祉会の福祉施設で、障害のある人たちのアートを社会に発信し、社会と人をつなげるための地域の活動拠点として運営されている。現在は、県内11箇所のアトリエを中心に、150人のマイノリティアーティストが活動している。

埼玉県工組の同プロジェクトは、国や地域の行政だけでは埋まることのできない課題を解決するお手伝いとして取り組んだもの。例えば、障害者がアートを創る場があっても、継続的に作品として世に出していくことができなければ収入にはならず、仕事とはいえない。そこで、アート作品をカレンダーなどの商品に採用することで、障害者にとってアートが仕事になり、その作品を採用した側も社会課題の解決に取り組む活動にすることができる。「KOBO‐SYUオリジナルアートカレンダー2022」も、販売することで、その収益がアーティストへ還元される。

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アウトサイダーアートの13の作品を採用したカレンダー

今回のカレンダー制作では、150名のマイノリティーアーティストの中から13の作品(表紙+12か月分)を選出し、採用した。印刷工業組合としても、印刷・加工・名入れ・資材の調達など各分野のスペシャリストと連携してカレンダー作りに取り組むことで、適正なコストで作品を提供できる。「KOBO‐SYUオリジナルアートカレンダー2022」も、販売することで、その収益がアーティストへ還元される。

惠勇人理事長は、「障害者と健常者を分け、特別に扱う現在の仕組みには様々な障壁が存在します。それを打破し、お互いに関わり合う機会を増やすことで、既存の考え方に捉われることなく、性別や国籍あるいは身体、意識の違い等による課題を、クリエイティブに解決する『ピープル・デザイン』によるダイバーシティ社会実現への一助となることを目的としています」と作品づくりについて解説している。

埼玉県中小企業団体中央会の「新商品・新サービス合同記者発表会」は、広報活動を苦手としている中小企業を支援する事業(組合広報活動・メディア戦略支援事業)として行われている。広報および販売促進を専門とする広報コンサルタントの専門家を招聘し、効果的なプレスリリースの作成方法などを学び、中小企業の営業力及び応報発信力を高めることを目的としている。専門家として㈱マジックマイスター・コーポレーションの大谷芳弘氏を招き、5回の勉強会や打ち合わせを経て、今回の発表に至っている。

Youtube「第6回新商品・新サービス合同記者発表会」(埼玉工組の発表は46分頃から)

なお埼玉県工組以外に、協同組合埼玉県畳協会が新製品のお一人用畳『おりたたみん』、六次産業協同組合が西洋野菜のネギと伝統食のコラボした新製品『深谷リーキ味噌』、埼玉皮革関連事業協同組合から害獣対策にもなる野生動物の皮製品づくり『U-TaaN PROJECT』を、それぞれ発表した。

いずれの団体も、伝統技術や地域の特長を商品やサービスに昇華させた、オリジナリティの高い魅力あふれる商品が紹介された。

埼玉県印刷工業組合 https://www.saipia.net/

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