アグフア UV対応現像レス・機上現像の新CTPプレート2種、今夏国内販売を開始

日本アグフア・ゲバルトは2021年夏に、2種類の商業印刷向けCTPプレートの新製品として、高耐刷性ガム処理プレート「アダマス」と、検版性に優れた機上処理プレート「エクリプス」 の国内販売を開始する。従来から好評の「アズーラ」を含む幅広いプレートのラインアップにより、様々な要望に応える。

Adamas(アダマス)は、Azura(アズーラ)で実績のあるガム処理方式を受け継ぎつつ、新たなテクノロジーの投入によって、高生産性・高耐刷・UV対応を実現。サーマル対応プレートセッターにて露光後、専用のクリーニングユニットにてガム液を用いて不要な塗布膜を洗浄除去することで、画像コントラストに優れた高品質の刷版を得ることができる。新開発の高感度サーマルフォトポリマー技術の採用により、同じガム処理方式のAzuraと比較して、プレートセッターでの生産性、印刷時の耐刷性ともに大きく改善した。

露光後のプレートの処理に使用するガム液のpHは中性で、強アルカリ性の現像液を使用しない。Adamasプレート専用に開発されたクリーニングユニットはAGFA独自のデュアルガムコンセプトを採用。洗浄用ガム液と仕上げ用ガム液を使い分けることで、クリーニングユニットのメンテナンス周期の長期化と、処理後のプレートの版面保護の強化を実現している。

出力後のプレートは検版性に優れ、ガム液で保護されていることから印刷までの取り扱いも従来のPS版/CTP版と同等。ガム処理方式のメリットを継承し、Azuraと比較して耐刷性能は大きく向上した。油性インキだけでなく、UVインキの業務でも従来以上の場面で利用することができる。

Eclipse(エクリプス)は、機上処理方式でありながら一定の検版性を持ち、なおかつ印刷機の汚染を最小限に抑えることのできるプレート。サーマルプレートセッターで露光後、アルカリ現像液もガム液も使用することなく、そのまま印刷機に掛けて使用することができる。

機上処理方式のプレートは昨今導入が進む一方で、技術的に多くの課題があった。1つが露光後印刷前のプレートの検版性。印刷機上で除去される塗布膜は無色に近いことが好ましい一方で、画線部も非画線部も無色に近い状態では、検版作業のみならず印刷機に掛けるプレートの識別すら困難となる。Eclipseでは、塗布膜は無色に近い色に設計しつつ、露光された画線部を青く発色させることで、この課題に対応した。また、一度発色した画線部は短時間で退色することもない。

もう1つの課題は、印刷機上で除去された塗布膜の一部が、印刷機のローラー上や湿し水中に残留すること。Eclipseでは、塗布膜が湿し水を含んで膨潤する仕組みと、膨潤した塗布膜がインキによってアルミ支持体から引きはがされる仕組みの最適化を図ることで、印刷機の汚染を最小限に抑えるように開発されている。露光後印刷前のプレート、および印刷機上での取り扱いには、機上処理方式であることを考慮したハンドリングが必要になるが、適切な条件下ではインキ着肉も早く、損紙も最小限に抑えることが可能。

Adamas、Eclispeともに、AGFA独自のXMスクリーニングSublima(スブリマ)との相性も優れており、高精細印刷にも対応する。また、これらの新プレートは、一度に最大2,400枚が搭載できるCTPパレットローディングシステムExpert Loader(エキスパート・ローダー)と組み合わせて利用することができる。

同社は現像あり・現像レスのガム処理タイプ・機上処理タイプと3種の処理方法を取り揃え、幅広い要望に応える体制を整えた。

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