日本フォーム工連 コロナ禍の影響で意見交わす

パネルディスカッションの模様
パネルディスカッションの模様

日本フォーム印刷工業連合会は10月28日、会員特別セミナー「COVID―19が与える印刷産業への影響と機会」を、ビデオ会議システムを活用して開催した。当日は、第1部でPODiの亀井雅彦氏による講演「コロナ後のフォーム印刷」、第2部ののパネルディスカッションで岩岡印刷工業㈱の岩岡正哲社長、日本フォーム印刷工業連合会の小林友也会長、和田秀一郎副会長がパネラーとなり、亀井氏がファシリテーターを務めた。

亀井氏は、コロナ禍によって小売業、外食産業、旅行業など大きな影響を被った産業の変化や、展示会やイベントなどデモンストレーション型のビジネスが壊滅的打撃だったなど市場へのコロナ禍のインパクトを解説。それに伴い、顧客の反応や市場の変化があり、印刷産業を変わらざるを得ないとした。

印刷市場の動向としては、商業印刷が25~30%/出版印刷が20~25%縮小していると報告。そのことから「印刷」だけを届けるビジネスの時代は終わったと表現した。ただし、すでに米国の印刷市場は回復の兆しを見せているほか、国内大手印刷業はBPOなど印刷周辺や業務までふくめた受注により市場を獲得していることなどを紹介した。加えて、フォーム印刷業界は、他の印刷市場とは異なり、企業の帳票という市場を主なターゲットとしていることから、顧客の実態が見えやすく、新しい戦略も立てやすいことが強みになるのではないかと提言した。

 続いて行われたパネルディスカッションでは、コロナ禍の影響や、この間のそれぞれの取り組みが語られた。コロナ禍を迎えて改めて社内のムダを見直し業務の平準化を図るなど今できることに取り組んだほか、顧客に対して業務の改善やBPOを提案する対策などが提案された。

顧客にとって身近な業態のフォーム印刷業は、顧客の変えたいというニーズを受けて一緒に新しいものを作り上げていける業態であると指摘。印刷に頼らないサービスの提供や商品の開発など柔らかい発想で支援していくことで顧客との繋がりが強化できる業態であることも示された。

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