【印刷ビジネスモデル集2019】= 櫻井印刷所 =地元・川越を意識した事業で地域に貢献

【印刷ビジネスモデル集2019】<br>= 櫻井印刷所 =<br>地元・川越を意識した事業で地域に貢献

フリーペーパー『kawagoe premium』で情報発信、活版印刷所も開設

フリーペーパー『kawagoe premium』
フリーペーパー『kawagoe premium』

大正13年(1924年)に創業し、地元・川越の印刷会社として事業を展開してきた株式会社櫻井印刷所は、印刷媒体はじめ電子媒体を含む多種のメディアの提案、企画やデザイン、編集などの制作から印刷物として納品するまでのトータルプロデュースを通じ、地域社会への貢献を目指している。

そうした中、同社では地域に根付いた印刷会社ならではの取り組みとして、地元・川越の魅力を発信するフリーペーパー『kawagoe premium(カワゴエプレミアム)』を発行。この『kawagoe premium』への取り組みがベースとなり、川越祭りにはそのダイジェスト版を制作・配布したり、川越を舞台にした書籍『活版印刷 三日月堂』作者のほしおさなえ氏とのイベント企画を行うなど、地域活性化に向けた幅広い活動に繋がっている。なお同誌は、日本タウン誌・フリーペーパー大賞2016で大賞を受賞(同時に企業誌部門優秀賞、読者投票の第2位も受賞)している。

そして今年1月には、本社から歩いて数分のところに活版印刷工場を開設した。『活版印刷 三日月堂』の内容を彷彿とさせる活版印刷所の開設は、川越の新しい名所づくりともいえる取り組みとなっている。

同社ではかつて活版印刷をしていた時期もあったが、現在はオフセット印刷会社として操業しており、オフセット印刷の表現力を活かした印刷に注力してきた。そうした中、最近の活版印刷の人気の高まりや、社内に活版印刷を扱える社員が残っていたことなどがあり、付加価値の高い新たな事業として活版印刷を始めるに至っている。

開設するにあたっては、手放していた活版印刷機を改めて調達したほか、樹脂凸版をつくる製版機、活版印刷作業が終わった後に活字をサイズごとに仕分けるための込め物選別機など必要な資機材などを揃え、約30年振りの復活を果たした。印刷工場も、倉庫として利用していた床板張りの第一工場を利用。古い雰囲気を活かして活用することで、活版印刷所らしい風情となっている。

活字が並ぶ
活字が並ぶ

活版印刷所の開所にあたり、1月26日、オープンハウス形式のお披露目会を開催。オープニングには、川越市の川合善明市長が来賓として祝辞を述べて、川越を活性化させる活動としての期待を語った。また、『活版印刷 三日月堂』の著者であるほしおさなえ氏も来場して華を添えた。

同社が始めた活版印刷サービスは、名刺(片面1色:100枚8,500円+税、他/両面1色:100枚1万円+税、他)、ハガキ(片面1色:100枚1万2,000円+税、他)からスタート。用紙はローペールホワイト232㎏、インキの色は要相談、納期については約1ヶ月ほど。なお、デザイン・樹脂板制作費は別途必要なほか、活字を使った組版や亜鉛版を希望する場合は別途見積りとなる。

株式会社櫻井印刷所

本社 埼玉県川越市元町2-4-5

代表者:櫻井理恵氏

TEL 049-222-0935

FAX 049-225-0149

https://sakurai-p.co.jp/

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