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イナミツ印刷&小林断截 経営改善ノウハウと商品加工・開発ノウハウで業務提携

イナミツ&小林断截

品川区の印刷・製本会社であるイナミツ印刷と、墨田区の製本・加工会社である小林断截は、6月4日、業務提携契約を締結した。業務提携の内容は、イナミツ印刷が持つ経営改善ノウハウおよびシステムと、小林断截の商品加工技術と商品開発ノウハウをお互い提供し、業務連携しながら企業の進化を目指す。

具体的には、イナミツ印刷の損益管理システムを小林断截でも導入・活用し、そこでのお互いが持つノウハウを共有していく。今回の締結に伴い、6月23日、小林断截で記者発表が行われた。

現在、イナミツ印刷では、自社開発のリアルタイム損益管理システム「イナミツシステム」を運用し、社内の業務改革を行い成果を挙げている。今回の締結でイナミツ印刷は、同システムを『aGaru SYSTEM』として提供するほか、損益管理システムから抽出したデータを基にした具体的活用方法経営改善ノウハウも提供。それに伴う人的交流によるスタッフ部門の強化も可能であるとしている。

一方、小林断截においては、『aGaru SYSTEM』導入により現場の作業性の向上や社内改善活動を進め、営業戦略の立案を行う体制を進化させる。ここには、従来から強みとしている断裁・穴あけ・天糊技術をベースとした後加工や顧客の要望に基づき多角的視点で提案するなど商品開発技術、商品加工技術が含まれている。

両者が連携することで、イナミツ印刷『aGaru SYSTEM』を基軸にしたDX化を進め、小林断截が持つ課題解決ディレクション力、商品開発を、システムのプラットフォーム上で運用・共有化し、ビジネスの継承へと繋げていく。

両者の連携には、情報の共有化が前提条件となってくる。現在、その作業は進んでおり、今後、小林断截で本格的に『aGaru SYSTEM』の運用が始まる。その結果として、経営戦略、新商品開発、新規開拓、適材適所の人材配置などの機動力の発揮、資材の共同購入や共同管理、共同配送まで視野に入れている。

イナミツ印刷の稲満信祐社長は、「中小企業の統廃合が今後も進むと懸念されています。しかし、複数の企業が統廃合により一つになると考えるのではなく、複数の企業の力の数の分だけ大きなことができる企業へと進化すべきだと思っています。これにより中小企業であっても大企業並みの改革・改善や付加価値向上へのノウハウが獲得できるのではないでしょうか」と語っている。

また、小林断截の小林宏慈社長は、「今回の話を進める中で、お互いの得意な部分を活かしていこうという話にまとまりました。お互いの技術を生かしつつ、DXによって属人化を減らし、効率化を進め、データ化していくことで承継もしやすくなるなど、これからの中小企業の姿ができると思います。コラボレーションによりビジネスの幅も広げていきたいと思います」としている。

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