KSフォーラム 正文舎のデジタル印刷生産を学ぶ~デジタルは手段、目的は変革にあり

リコーのプロダクションプリンターユーザーで構成するナレッジ・シェアリング・フォーラム(KSフォーラム/山田周会長)は9月2日、北海道札幌市の株式会社正文舎が構築した同社のデジタル印刷工場『デジタルプリントファクトリー』を見学した。

デジタル印刷機が並ぶ生産現場

KSフォーラムはPODに限らず企業経営に関わるノウハウなどを共有する場として活動している。今回の見学会ではリコーのRICOH TotalFlow BatchBuilder、ホリゾンのiCE LiNK、JSPIRITSのPrintSapiensを連携させ、オペレーターのタッチポイントを極力減らした自働化ワークフローとその背景を学んだ。

KSフォーラム会長 山田周氏
DXの取り組みを説明する岸昌洋氏

正文舎は2021年、リコーのモノクロプロダクションプリンター2台による無人出力環境を構築。現在はカラー機を含めてプロダクションプリンター7台が稼動し、完全デジタル印刷生産を確立している。また、ワイドフォーマットプリンターやDTFプリンターも自働化ワークフローと接続させている。

見学会では工場を見学した後、正文舎代表取締役の岸昌洋氏がデジタルトランスフォーメーション(DX)を基軸に『デジタルプリントファクトリー』を構築した背景や目的、今後の展望を説明。工程の可視化による情報共有、自働化による属人性の排除、生産連携による多能化の実現や、製本工程を含めた自働化ワークフローの生産の確立、将来的なマーケティングオートメーションや営業支援システムの取り込みなどに言及し、「デジタルは手段。トランスフォーメーション(変革)が目的」とDXに取り組む基本的な考え方を強調した。

 山田周会長は工場見学の冒頭の挨拶で「本日は正文舎様のデジタルプリントファクトリーを見学する。デジタル印刷のみの生産体制を確立したと聞いており、その背景などを学びたい」と述べた。また、リコーグラフィックコミュニケーションズ経営管理本部長の武田健一氏は「デジタルプリントファクトリーの構築はデジタル化を手段とし、その先にある無人化や可視化、働き方、そして最終的に事業変革が目的だと理解している。その目的に向けて経営者の考えを現場の方が理解し、実践していると感じる。本日は現場の方にも直接お聞きできると思う。こうした機会はKSフォーラムならではだと思う」と見学への期待を述べた。

KSフォーラム 参加者と正文舎のスタッフ、リコー関係者

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