日印産連 WPCF(世界印刷会議)2019ロンドンの出張報告会を開催

WPCF2019出張報告会会場
WPCF2019出張報告会会場

日本印刷産業連合会は7月3日、東京都中央区の日本印刷会館で、5月にロンドンで開催されたWPCF(世界印刷会議)2019ロンドンの出張報告会を開いた。

報告会では、杉村亥一郎専務理事、広報部の石橋邦夫氏、新井一輝氏が、WPCF2019や、ロンドン大英博物館で開催されたマンガ展「The Citi exhibition Manga」の概要、英国書店事情、英国の印刷産業動向などを報告し、海外の最新情報を提供した。

WPCFは世界の主要印刷連合会の集まりで、米国、欧州、オーストラリア、中国、香港、インド、韓国、インドネシア、ネパール、ブラジル、日本が所属している。今年は欧州印刷連合会intergrafと併催され、各国の印刷業界の状況報告やオンラインプリントのセミナーなどが行われた。

出張報告会で新井部長はWPCFで報告された各国印刷業界の状況について説明。英国の印刷業界は、雑誌・新聞分野で日本と同じように年々減少しているが、書籍が増加傾向にあり、2008年と2017年を比べると16%増加しているとのべ、オーストラリアや香港などの先進国の印刷市場が減少し、中国やインドで大幅に増加していると紹介した。

大英博物館のマンガ展は5月23日から8月26日まで、マンガの持つ圧倒的な訴求力やアニメやゲーム、ファッションまで交錯する多種多様な文化が世界に及ぼす影響力を考察、検証することを企画趣旨に開催される。会場は、「漫画という芸術」、「過去から学ぶ」、「全ての人に漫画を」、「漫画の力」、「漫画家が描く線の力」、「広がるマンガの世界」の6つのゾーンで構成されている。

英国の書籍流通は、巨大書店チェーンの売上シェアが拡大し、中小規模の書店の売上が減少。中小規模の書店は1990年に約3,000店舗あり、30%の売上シェアを占めていたが、2007年には1400店で、売上シェア10%以下に落ち込んでいる。

一方で、英国では書籍を「書籍」としてではなく「ギフトアイテム」として高級百貨店のギフトアイテムコーナーを通して市場に流通させるビジネスが確立されている。他にも英国における書籍は、インテリアとしての需要も高く、所持者の教養を代弁するとも言われていると、英国独特の書籍文化について解説があった。

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