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【ビジネス】西日本ビジネス印刷
働き方改革でIridesse™ Production Press導入
社員のやる気を喚起、新市場創造につなげる

gazo

2020.5.8

印刷業の中でも、いち早く印刷のWeb受注サービスをスタートし、Webサイト「楽天市場」にある『印刷広場』も運営している西日本ビジネス印刷株式会社は、CSR活動や健康経営へも取り組み、環境省の“プラスチックスマート”企業でも紹介されるなど、常に新しい企業の在り方を追求している。同社は今年1月、印刷資機材商社の株式会社ショーワから、富士ゼロックスのプロダクションカラープリンター「Iridesse™ Production Press」を新たに導入し、働き方改革への取り組みを加速させる意気込みだ。同社会長の園田慶一氏と、社長の園田弘毅氏に話を伺った。

 

新しいことへ挑戦する

きっかけづくり

 

環境活動や女性活躍など様々な社会貢献活動に取り組む

環境活動や女性活躍など様々な社会貢献活動に取り組む

西日本ビジネス印刷では、“生産工程の効率化や無駄の削減にはデジタル技術は欠かせない”との考えのもと、2001年からデジタル印刷機を導入してきた。その頃、同じく新たにWeb受注サービスをスタートさせていたこともあり、小ロット対応が可能なデジタル印刷機の導入は必須だったと園田会長は振り返る。

そして今年1月、「Iridesse™ Production Press」を導入。これにより2012年に導入した「Color 1000i Press」(以下、C1000i Press)との2台体制による効率的な小ロット・多品種の印刷サービスの環境が構築された。

新しい設備の導入は、生産効率の向上だけが目的ではなく、働く社員に対して“新しいことを提供する”という意義も含まれているのだと園田会長は言う。「印刷会社において、基幹業務で売上を維持することは、利益を確保するために必要です。こうした業務はルーチンワークになりがちで、働く人のやる気を起こさせるには難しいといえます。しかし、新しい設備を導入すれば、新しい知識が求められ、新しい勉強が必要です。そして最新鋭の設備であるほど新しい挑戦が可能となり、そこから新しい市場創造に繋げていくこともできるのではないでしょうか」とし、「従来の印刷方式の課題である有機溶剤による健康被害や大量のヤレ紙の発生、プラスチックやアルミ版材の消費、騒音や電力料金などに関して見直しを図り、環境負荷低減を進めるとともに、付加価値創出を伴う印刷ジョブの実現などによって低価格競争からの脱却も図れる」と設備導入の意義を語っている。

 

小ロットでも高付加価値な印刷を

 

Iridesse™ Production Press(手前)とColor 1000i Press

Iridesse™ Production Press(手前)とColor 1000i Press

もちろん「Iridesse™ Production Press」の導入は、新しい挑戦だけを意識したものではない。例えば、同社において2~3月はページ物などロングランでデジタル印刷機を稼働させる仕事が確実に入ってくる時期となる。この時期、既設のC1000i Pressやモノクロ対応機D125 Light Publisherが、ほぼ24時間体制で仕事をこなすことになる。

そこへ「Iridesse™ Production Press」を導入したことで、制作スタッフの作業負荷の低減が期待できるという。「1月の導入はベストタイミングでした。繁忙期までの間に本格稼働に向けた準備を行うことができたので、今はC1000i Pressと平行して動かすことができています。その結果、一度に2つの仕事をこなせるようになり、順番待ちをする仕事が減りました。明確な成果はこれからですが、生産効率が格段に上がると期待しています」と語る。

加えて、特殊トナーへの期待も高い。新規受注の仕事やこれまでは箔押しをしていたメタリック表現が必要な印刷物の制作では、「Iridesse™ Production Press」を優先的に採用していく予定だ。従来から受注してきたホワイトトナーの案件も、高い印刷品質で効率よく生産できるようになるとしている。

同社の場合、Web受注サービスから舞い込んでくるハガキ・ポストカード類、名刺印刷などの仕事において、付加価値の高いデザインが採用できるようになることへの期待は高い。「ポストカードなどの小ロットの市場では、様々な用紙を使いたいという要望があります。しかし、オフセット印刷だと時間やコスト、用紙対応性などの課題がありました。こうした課題をIridesse™ Production Pressで解決していきたい」と園田社長。

またワインなどお酒ラベルの印刷も多く受注していることから、小ロット・高品質のラベル印刷での活用も考えているという。少部数でも高品質なラベル印刷ができることで、限定品やオリジナルデザインなどにもコストを抑えた提案が可能になる。特に最近は、お酒ラベルの小ロット化が進み、少ない時には100枚、200枚ということもある。特長あるデザインを採用する案件も増えており、メタリック素材や切り抜き加工するなど多様化する市場にも対応できる。「Iridesse™ Production Pressにより、高額で加工性に限界があるメタリック素材を使わなくてもいいことは大きな魅力です。お酒のラベルは、特殊トナーの採用効果を一番発揮できる市場になるのではないでしょうか」と期待を寄せている。

 

デジタル印刷で働き方を変える

 

同社が「Iridesse™ Production Press」を導入した大きな目的に、働き方改革の実現がある。「印刷業は今も、繁忙期になると残業も仕方がないという意識が強い業態であることに変わりはありません。印刷工程がデジタル印刷へシフトしても、オフセット印刷機がこなす大量ロットを同様にこなせないので受注件数を稼ぐ必要があり、業績が順調であるほど社員の負担も大きくなります。そこでIridesse™ Production Pressを導入することで、生産性を向上させることを考えました。弊社の場合、C1000i Pressと併用すれば仕事が分散化され、残業時間削減に繋げると考えたのです」と園田会長。

今回の「Iridesse™ Production Press」導入にあたっては、「Iridesse™ Production Press」を主軸とした計画内容で経済産業省が進めている経営革新計画への申請を行った。「Iridesse™ Production Press」を計画の主軸に据えることで、「経営革新計画における“革新性”を表現できました」と園田会長。

「デジタル印刷機を導入しただけでは、いずれは価格競争になってしまいます。環境に優しいというデジタル印刷機そのものの魅力もありますが、Iridesse™ Production Pressは特殊トナーが使えるという強みがあります。これにより新しい挑戦をしていける環境づくりが可能になります。新しい設備を導入する意義は、価格競争からの脱却と新市場創造を目指すということにあるのではないでしょうか」と語っている。

今後は、「Iridesse™ Production Press」を使い、デザイン学校の学生と、ものづくりに関するコラボレーション企画なども手掛けていきたいと語る園田社長。設備に限界がある教育機関を支援する活動になり、社内に対する刺激にもなる。「こうした繋がりは、社会貢献の一助にもなるのではないかと考えています」と展望している。