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共栄メディア 新たな市場開拓目指し、販促市場に取り組む

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2016.4.7

共栄メディア1_錦山社長

錦山慎太郎社長

変化する市場に対応するシステムとしてミマキのインクジェットシステム導入

製版会社として創業した東京都新宿区の株式会社共栄メディアは、製版業務に限らず、販促ツールの企画・制作や展示会ブースの設営支援、デジタルサイネージの制作まで業務の多角化を進めている。昨年5月には、ミマキエンジニアリングのインクジェットプリンタ4台をはじめとする生産設備を増設。販促物やオリジナルTシャツなどの生産体制を強化した。

新たに導入したのは、ミマキエンジニアリングのLED-UV硬化型フラットベッドインクジェットプリンタ「JFX200-2513」のほか、A2サイズ対応LED-UV硬化型フラットベッドインクジェットプリンタ「UJF-6042」、ロール紙対応のシルバーインク搭載インクジェットプリンタ「CJV 300-130」、Tシャツ事業向け設備として増設した水性昇華転写インクにも対応するワイドフォーマットインクジェットプリンタ「JV300-130」に加え、イタリア・モンティアントニオ社製転写式の大判プレス機とカッテングプロッタ。インクジェット機器を中心にした生産体制を一気に強化した。
製版業としての同社の「色校正業務」は、現在も受注の3割を占める。一方、業界全体では、印刷生産工程のデジタル化に伴い、平台の校正機から、インクジェットプリンタを中心とした新しいデバイスへとシフトしつつある。同社も平台校正機やDDCPから、インクジェットデジタル印刷機を活用した校正への切り替えを進めている。同社にとって校正出力のデジタル化は、校正業務の変化への対応だけでなく、人材確保や新規市場への取組みを狙ったものだった。校正出力のデジタル化を進めることでデジタル出力のノウハウを構築。これまで培ってきた高度なカラーマネジメント技術を合わせることで市場開拓へとつなげている。
同社の錦山慎太郎社長は「印刷の生産環境が大きく変化していく中で、事業基盤を確立していくためにも、新しい市場拡大が必要」と考える。その中の一つが、同社のサービスとして定着しつつあるオリジナルTシャツ事業で、徐々に受注を伸ばしている。今年からは本格的に販促支援事業に着手している。

設計からワンストップで什器制作「JFX200-2513」活躍

什器製作で活躍する「JFX-200-2513」

什器製作で活躍する「JFX-200-2513」

共栄メディアの事業は、「プリントセンター」事業と「メディアセンター」事業。「プリントセンター」事業では、インクジェットデジタル印刷機による色校正をはじめ、印刷業務を展開している。「メディアセンター」事業では、デジタルサイネージやSP(セールスプロモーション)企画など、印刷に限らない販促支援を手掛ける。昨年導入したミマキエンジニアリングのインクジェットプリンタ群は、「メディアセンター」から派生した印刷物の製造や、「プリントセンター」の営業担当者が獲得してきた販促物の生産で利用されている。
フラットベッドインクジェットプリンタ「JFX200-2513」は、主に什器の生産で活用されている。厚さ50㎜までのメディアへの印刷が可能であり、カッティングプロッタと併用することで、意匠性の高い什器を制作することができる。
同社では、一般商業印刷を受注する過程で什器の制作を依頼されても、これまで外注していた。しかし、サンプル用の“一体だけ”の制作が大半で、コストや納期の面で課題を抱えていた。「JFX200-2513」の導入後は、什器サンプルの制作コストが低減。納期にも柔軟性が持てるようになり、営業担当者が積極的に提案できる環境になった。

什器のサンプル

什器のサンプル

什器の内製化に当たっては、社員の中から2人の専任担当者を選任。大手段ボールメーカーから講師を招き、展開図設計のノウハウを獲得していった。昨年5月からの半年間の事業のトライアル期間を経て、企画・設計から製造までのワンストップ生産で本格的にサービスを開始している。制作担当者の技術力も上がり、現場から「什器制作ができるから売ってきて」と営業担当者に発破がかかるなど、社内の活性化にもつながっている。
現在の生産ロットは、「サンプル」をメインとした小ロットをターゲットにしているため、50ロット程度までとしているが、サンプルの先にあるのは本生産である。錦山社長はこれから什器の事業が軌道に乗った後の大量生産を見据えている。

小物の販促物から大サイズまで対応
Tシャツ事業も強化

「JFX200-2513」はLED-UV硬化型のため、出力メディアの幅が広い。このため、同社では通常のオフセット印刷では難しい素材や立体物へのプリント需要の取り込みも見込んでいる。例えば、乳白色ボードなどの電飾看板、クリアボード・アクリルボードを利用したフロア案内、アパレル製品や横断幕の布地へのプリント製品など、多様な制作物に対応する。そうした機能の活用を踏まえ、錦山社長は「機械ありきではなく、市場のニーズに合わせながら受注していきたい」と述べている。

Tシャツ事業の生産強化で増設した「JV300-130」

Tシャツ事業の生産強化で増設した「JV300-130」

小物の販促物制作向けに導入した「UJF-6042」

小物の販促物制作向けに導入した「UJF-6042」

加えてA2サイズ対応の「UJF-6042」は、小型のゴルフボールやスマートフォンケースへのプリント、ボールペンの名入れ、キーホルダー、各種コンサートグッズの制作などに利用する。オプションの「ケバブシステム」により、円柱型の素材にも360°の方向にプリントできるため、缶やボトルなどへの名入れサービスも提供する。さらに、昇華型プリンタによるオリジナルマグカップの制作を手掛けており、幅広いアプリケーションに応えている。
水性昇華型インクにも対応するワイドフォーマットインクジェットプリンタ「JV300-130」は、Tシャツの転写プリントの需要が増加したことから導入した。機種選定の動機は発色の良さと操作性で、高濃度の色ブレがないプリント品質と簡易なオペレーションによる作業効率の高さを評価。6年前に新規事業として始めたオリジナルTシャツ事業(「オリTアース」http://orit-e.jp/)は学校やクラブ活動、地域活動で一体感を演出するツールとして定着し、顧客数も増加。今ではTシャツ以外に、パーカーやエプロン、ハッピ、タオルなどアイテム数も拡大しており、今後、さらなる事業強化を予定している。
現在、Tシャツ事業では、シルクスクリーン印刷、インクジェット機(ミマキエンジニアリングGP-604)、昇華型転写シート(JV300シリーズ)の3方式のシステムを設置。制作するアイテムとデザインによって最適なシステムを選択、提案している。モンティアントニオ社製大判プレス機は、布地へのプリントシステムとして導入。これまで外注に頼ってきたオリジナルタオルの制作も内製化し、今年の第92回箱根駅伝に出場した大学のオリジナルタオル制作も受注した。
同社では今回、一気に増設したインクジェットシステムを通じて、小ロット・多品種の販促グッズやオリジナル製品を積極的に受注し、色校正出力サービスに続く事業に成長させていく方針である。