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JAGAT 『印刷白書2017』発刊記念特別セミナー開催

JAGAT印刷白書日本印刷技術協会(JAGAT)は、11月27日、JAGAT3Fセミナールームで「印刷白書2017」発刊記念特別セミナーを開催した。創立50周年記念誌と合わせて制作・発行した『印刷白書2017』の内容をもとに、印刷ビジネス環境などが解説された。また今回は特別講演として、企業のデジタルマーケティングを支援するアジャイルメディア・ネットワークの藤崎実氏を招いて「コンテンツマーケティングの事例からみるマーケティングの可能性」についての講演も行われた。

今年の「印刷白書」のトピックとして、印刷の市場環境について解説されており、印刷の実情の減少は小康状態で、やや下げ止まっていること、一方で企業の利益率は行き詰りつつあるとした。しかし、デジタルビジネスが収益化しつつあり、調査でもデジタルビジネスに関する満足度が、初めてプラスに転じたことが報告された。

各市場については、広告費は堅調に推移しているが、その内実についてはインターネットが独り勝ちをしている状況で、従来の広告費がインターネット広告費にシフトしている。また出版市場においては書籍の売り上げは比較的好調である一方、雑誌は厳しい状況になっているなど、戦後型出版モデルである“雑高書低”が崩壊しているとした。

なお、フリーペーパーに関しては紙メディアの中では堅調だが、かつての数万部も配布されるものではなく、地域活性化や地方創生にもとづいたものが発行される傾向が強い。

印刷の生産額については、包装印刷が復調で、インバウンドに関連したものも好調であったという。チラシに関しては減少で推移しているが、高級品などを扱った宣伝などで活用されるなど新しい動きもあり、その動きも終息しつつあるとした。

なお、経済産業省の統計などからの印刷の市場規模については、2014年は5.5兆円(0.2%減)であったが、5.4兆円規模(1.1%減、2015年)であると推計している。

「印刷白書2017」 定価9167円+税(JAGAT会員7685円+税)

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