Home 業界

ウエマツ スピードマスターXL106導入の工場見学会に100人

ウエマツの戸田工場に導入されているスピードマスターXL106
ウエマツの戸田工場に導入されているスピードマスターXL106

株式会社ウエマツ(東京都豊島区)は、4月18日、枚葉オフセット印刷機『スピードマスターXL106』の導入でスマートファクトリー化を図る戸田工場の見学会を開催した。ハイデルベルグ社が提唱する完全自動運転を実現する『Push to Stop』コンセプトに基づくスマートファクトリー化を目指したもの。

見学会当日は、顧客企業をはじめ業界関係者ら約100人が参加した。ウエマツの福田浩志社長の挨拶に続き、同社の概要や現状が紹介され、スピードマスターの導入経緯と目的などを説明。その後、スピードマスターXL106の実演と戸田工場の見学が行われた。見学会の後には、会場をホテル椿山荘東京に移して懇親会を行った。

ウエマツの取り組みや導入経緯を語ったウエマツ・福田社長
ウエマツの取り組みや導入経緯を語ったウエマツ・福田社長

福田社長は戸田工場について、「印刷工場には多くの変動要因があり、それをいかに抑え込むかが課題だと思っている。そのためにも、印刷に最適とされる温度25度、湿度50%という環境の維持に努めている」と語り、顧客の大半が印刷会社である同社にとって多岐にわたる受注内容でも、安定して高い品質基準を維持していくために様々な取り組みを行っていることを解説した。

100人規模で行われた工場見学会
100人規模で行われた工場見学会

スピードマスター導入については、「売上を伸ばすためには、単価と受注量が関係してくるが印刷市場は厳しい時代に入っている。社内的には利益率を上げるためにコスト削減の努力も継続して行っている」としながらも、「利益を上げるためにはと他産業と比較して考えた時、生産効率を上げることが一番大切であると思い、取り組んでいる」とし、そのツールとして『Push to Stop』の考え方を導入し、より自動化を進めるスピードマスターXL106の導入に至ったと語った。

生産効率向上の鍵となる印刷の稼働率についても、手本としたイギリスの企業と自社の数字を比較しながら、日本独特の印刷市場の課題も含めて考えつつ「100%にすることはできなくとも、まだ可能性はあると思う。異次元を目指して進めていきたい」と語った。

計3Job(500枚・500枚・1000枚)をスムーズに印刷した実演で出力した1Job目と2Job目
計3Job(500枚・500枚・1000枚)をスムーズに印刷した実演で出力した1Job目と2Job目

工場見学会では、スピードマスターXL106の実演が行われ、絵柄の異なる3ジョブ(500枚・500枚・1,000枚)をスムーズに連続出力した。同社のスピードマスターXL106には、刷版を全自動で全版同時に交換する「オートプレートXL2」が搭載されているほか、オペレータガイダンスシステム「インテリスタート」や、分光測色技術を採用したカラー/見当制御システム「プリネクトインプレスコントロール」などで、印刷制御や品質管理の自動化が図られていることが紹介された。

また同時に、戸田工場全体の見学会も行われた。

戸田工場の見学会では各種環境活動やCSR活動についてもつぶさに紹介された
戸田工場の見学会では各種環境活動やCSR活動についてもつぶさに紹介された

現在、ウエマツのグループ全体が保有する印刷機28台(169ユニット)のうち、戸田工場には18台(119ユニット)の印刷機が設置されているほか、プリプレスの分野ではCTPだけでなく、一部フイルム原稿も残っているなど多様な受注に対応する現場が紹介された。また工場全体で環境活動やCSR活動を進めており、各フロアに設置されている分別からは廃棄物から利益を出す工夫もされている。

関連記事

最新記事