マスカスタマイゼーション時代の価値創造~印刷エボリューション
2016.1.1
ヨーロッパで始まった印刷の価値や持続可能性を社会に訴える「Print Power」や「Two Sides」の活動が世界に広がっている。印刷や製紙、出版、新聞など紙メディアに関わる業種が科学的根拠を示しながら印刷発注者をはじめ、生活者全般に印刷の有効性を伝えている。
発注者にとって印刷の価値はどこにあるのか。メディアに求められるのは情報の伝達である。マーケティング全般における印刷の地位は、双方向で個別に情報を伝えることが可能な電子メディアの登場で揺らいでいる。印刷は長らくリプロダクションとして、同じ情報を大量に複製してマスマーケットに広く伝える役割を果たしてきた。近年は生産設備や手法を変えながら、多品種・小ロット化のニーズにも応え始めている。その代表がデジタル印刷である。
3Dプリンタの登場で製造業は大きく変わる。製品や部品の製造が限りなくマスカスタマイズ(個別品の大量生産)されるためである。デジタル印刷が生み出す価値も印刷物1枚ごとに異なる内容にできるカスタマイズ性にある。生活者や消費者に個別に訴えることができるのならば、電子メディアにはない物質としての存在感やプッシュ型メディアの特性という価値が浮き上がってくる。
マスカスタマイズの時代到来
IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を駆使し、製造業の高度化を図るドイツの産業政策「インダストリー4.0」の目的もマスカスタマイゼーションである。工場が自ら最適な手法を考えて稼動することで、効率的な多品種・小ロット生産を可能にする。つまり、デジタル印刷との親和性は非常に高い。
おそらく印刷業の顧客である自動車、電機、流通などあらゆる業種で、これまで考えても見なかったデジタル技術の応用例が示されてくる。印刷業も変化する顧客のビジネス環境に対し、どのように関わりを持つのか、自らの立ち位置を見定める必要があるだろう。カスマイズ性の高いデジタル印刷はその一つの武器になるかもしれない。
今年、開催されるdrupa2016では印刷産業版のインダストリー4.0「プリント4.0」の方向が示されるものと思われる。毎年、様々なキーワードや概念が登場するが、果たして「プリント4.0」が何を意味し、何をもたらすか。“印刷エボリューション”の実現へ、顧客にとっての印刷の価値がどこにあるのかという視点で新しい概念の本質を見極めることが求められている。
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