コダック 錦明印刷がSONORA Plate Green Awardを受賞で授賞式開く

コダック 錦明印刷
錦明印刷の塚田司郎社長(左)に受賞盾をわたすコダックの藤原浩社長

コダックは、持続可能な印刷ソリューションを推進するKODAK SONORA Plate Green Leaf Awardプログラムにおいて、錦明印刷が受賞したことに伴う授賞式を、10月16日、錦明印刷富士見事業部で行った。

第7回目となる今回のKODAK SONORA Plate Green Leaf Awardには、過去最高となる52社が選出された。日本からは、錦明印刷株式会社と千修岩井印刷株式会社の2社が選ばれている。なお授賞式当日は工場見学会も行われた。

コダックのKODAK SONORA CX2/NX2は完全無処理CTPプレートで、「KODAK SONORA Plate Green Leaf Award」は、印刷業界においてより持続可能な未来に向かい、環境保全と環境負荷軽減に取り組んでいるSONORAプロセスフリープレート採用の印刷会社を認定・表彰することを目的としている。今回も、環境に優しいだけでなく、自社事業や顧客に対して利益をもたらす持続可能な印刷を導入している印刷会社に対して賞を贈っている。

コダック 錦明印刷 CTPルーム
錦明印刷のCTPの現場

受賞した錦明印刷は、2015年にコダックがプロセスフリープレート(Kodak Sonora XJ)として発表した当初から注目し、翌年からテスト導入を開始してきた企業。この間、同社では印刷機のLED-UV化のタイミングなども重なったこともあり、耐刷力などを検討しながら段階的にプロセスフリーへの切り替えを図ってきた。

中でも2017年にB全判にSONORAを採用したところ、アナログよりも耐刷力が優れていた結果を得たことが契機となり、本格的にプロセスフリーへの転換を図ることとなったという。2018年に「SONORA CX」が発表された後には輪転機でのテストもスタート。また2019年のUV印刷における耐刷力が向上した「SNORA CX2」発表後は、LED-UV印刷で問題なく対応できることから枚葉機に関して、全てプロセスフリーへの切り替えに踏み切っている。

コダック 錦明印刷 オフ輪
オフ輪印刷もプロセスフリーへ切り替えた錦明印刷

2020年春には、輪転機でもCX2のテストを開始し、輪転機では30万枚クラスのロットにも十分対応できることや紙への対応なども問題ないことから、5月から本格的にプロセスフリーへ転換を図っている。これにより、同社のオフセット印刷の現場では、残存している有処理版の消化の終了とあわせて、完全プロセスフリーの印刷工場となっている。

表彰式で塚田社長は、社会的にも環境問題が注目されており、生産工場を持つ企業の経営者として環境問題について考える必要があると指摘。加えて政府の方針でも環境へ対応した企業は合致していることであり、印刷工場で輪転機が一番エネルギーを使っていることも含めて工場全体の環境対応を進めていくために、LED-UV化やプロセスフリーに切り替えていくことが重要であると解説。「現像液を使用せず、LED-UVにより輪転機のガスも使用しない。環境にフレンドリーな生産現場にすることができるようになりました。環境に対して後ろめたい気持ちを持つことなく稼働できるようになったことは良かったと思う」と語った。

コダックにおいてもコロナ禍を契機に輪転機ユーザーから生産現場の見直しやコスト削減に関係する取り組みとしてプロセスフリーへの問い合わせが増加。コダックの藤原社長も「コスト削減と省人化を目指す企業を支援できるものとしてプロセスフリーを提案していきたい」と語っている。

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