アグフア ユーザー会でダイコロ・松本社長が卒業アルバム事業の革新で講演

講演するダイコロの松本社長
講演するダイコロの松本社長

日本アグフア・ゲバルトのユーザー会『第35回アグフアユーザー会』が2月5日、サンシャインシティコンファレンスルームで開催され、同社の取り組みを説明するとともに、『卒業アルバムのトップメーカーによる生き残りをかけた新たな経営戦略』を演題にダイコロの松本秀作社長が講演した。

ダイコロは卒業アルバム業界のトップメーカー。約9,000校に向けて年間100万冊の卒業アルバムを生産している。現在、卒業アルバム市場は少子化の影響を受けているが、ダイコロの松本社長は業界のタブーがマンネリと消極性を生んでいると指摘。子供の数が減る一方、1人当たりの学習活動投資額が増えていることに着目し、付加価値向上による潜在市場の掘り起しに可能性を見出した。

松本社長はそのキーワードに“smart”、“personal”、“on demand”、“World Wide”を挙げ、中でも卒業生一人ひとり異なるパーソナライズアルバムにより、これまで一人1冊だった卒業アルバムの冊数の需要を2冊、3冊と増やすことで市場が拡大すると強調。また、2012年から本格的に着手したインターネットでという卒業アルバム用に撮影した学校行事の写真を販売するサイト『PHOTO SPOT』が年25億円までの事業に成長するなど新規事業を立ち上げ、“タブー”を打破してきた。

世界市場に向けては台湾、ベトナム、インドネシアで日本発の卒業アルバム事業を展開。日本と異なる卒業時期を利用し、冬季に集中する卒業アルバムで新たな夏季の需要を掘り起こした。

松本社長は「変化は大事だが、根底にあるのは思い出を大切にする人の心」と述べ、新規事業の基軸にも子供の写真を大切にするという万国共通の普遍的な想いが流れていることを説明した。

ユーザー会の冒頭の挨拶で日本アグフア・ゲバルトの岡本勝弘社長は「当社は今年で70周年を迎える。日本市場では海外の企業が進出しても定着しにくいといわれているが、ベルギーの日本法人の中では最も長い歴史のある企業と認められている。1950年、前身の日独通商から始まり、ドイツのアグフアとベルギーのゲバルトの統合を受けて1965年に日本アグフア・ゲバルトの名称になった。この時期からグラフィックス関連製品の輸入を開始している」と同社の歴史に言及した。

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