HDF21 全国合同地区大会で印刷ビジネスのこれから学ぶ

ハイデル・フォーラム21(HDF21)の第20回全国合同地区大会・高付加価値セミナーが、11月15日、品川プリンスホテルで開催され、第4次産業革命時代の競争ルールや働き方などについて学んだ。

挨拶する本部会長・塚田司郎氏
挨拶する本部会長・塚田司郎氏

第1部は、全国合同地区大会として、HDF21の第21期事業報告などが行われたほか、HDF21本部会長を務める塚田司郎氏(錦明印刷)が登壇して挨拶した。

塚田会長は、この10年間でビジネス環境は大きく変化し、今やデジタルメディアとプリントメディアを一緒に扱うことが普通になってきたことを指摘。「これまで以上に、スピードだけでなく、処理能力を向上させる努力が求められている。そのためにもタッチポイントをどれだけ減らすことができるのかが課題になってくる。ドイツではインダストリー4.0が提唱されており、日本も働き方改革や労働時間の短縮など様々な取り組みが掲げられており、従来と同じでは実現できない。トータルに高めるためには異なるシステムが必要であり、各企業がどこまで出来るのかが問われている。今回の講演会は大変有意義な内容になっているので、会社に持って帰って、現代的な企業になるきっかっけにして頂ければいいのではないか」と語った。

変化の時代の企業のあり方を説いた石倉洋子氏
変化の時代の企業のあり方を説いた石倉洋子氏

引き続き行われた第2部では、一橋大学名誉教授でもある石倉洋子氏が「第四次産業改革が進む中、競争ルールや働き方の変化にどう対応するか?」をテーマに講演した。

石倉氏は、第四次産業改革がこれまでと異なる点について、①スピード、②広がり、③システムへの影響、の3つを紹介。過去10年におこったことを、過去30年を比較すると格段に起きていることが加速度的に変化し、分野を超えたイノベーションや融合が起こることで広がりをみせ、一つの事象が様々なことに影響を及ぼしていると解説。「世界は混沌とし、リーダーもこれまでとは異なるパターンになるなど“パワーシフト”が起きている」と指摘。競争の場が変わってきた中で、これからの企業は100年人生時代に向けた戦略が必要であると説いた。

アンソニー・サールビー氏から「Push to Stop」について解説された
アンソニー・サールビー氏から「Push to Stop」について解説された

第3部では、来日中のハイデルベルグ社のアンソニー・サールビー氏が登壇し、「Smart Print Shopへの道、今、印刷会社がしなければいけないことは?」をテーマに講演した。ハイデルベルグ社て提案している概念・プリネクトを中心に、印刷現場の省力化や生産の効率化などを実現しつつ、利益を増加させていく取り組みとして、人の介入が必要な時だけ機械を停止する完全自動運転『Push to Stop』について解説した。

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