TOPPANデジタル、SSII2023最優秀学術賞を受賞、「印刷ムラ」から製品を識別し模造品や横流し品を防止

TOPPANデジタル株式会社と国立大学法人東北大学大学院情報科学研究科 青木・伊藤(康)研究室は、2021年9月より2023年3月まで「機械学習に基づく画像マッチング手法の研究」に関する共同研究を実施してきた。

このほど、本共同研究の成果に関する論文が第29回画像センシングシンポジウム(SSII2023)にて「最優秀学術賞」を受賞した。

人工物メトリクスの原理

昨今、模倣品や横流し品などの問題が深刻化し、偽造防止と不正流通防止が急務となっている。TOPPANデジタルと東北大学は、TOPPANデジタルがこれまで培ってきた印刷物に関する知見及び画像処理技術と、東北大学の個体識別技術を融合し、「印刷物の人工物メトリクス」を題材にディープラーニングを用いた画像マッチング技術の確立のための共同研究を進めてきた。このほど、共同研究の成果である印刷ムラを利用し、製品を識別する人工物メトリクスに関する論文をSSII2023で発表。その内容が評価され、「最優秀学術賞」を受賞した。

人工物メトリクスとは、人工物ごとの固有の特徴を用いて、人工物の各個体を識別する技術。同論文では、同一の原稿から印刷した500個の印刷物をスマートフォンで撮影した画像において、誤差0.3%未満の精度で識別できることを実証した。また、同手法による識別精度は、従来の個体識別用のディープラーニング手法を大きく上回り、バーコードやロゴマークなどの特性の異なる印刷物にも有効であることを確認した。同手法を用いることで、様々な印刷物に対して、スマートフォンのような簡易な撮影装置で高精度な個体識別が可能となる。

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