TOPPAN 学校生活に不安を抱える子どもの不調を早期検知、支援へ 心身の変化を即座にキャッチできる新サービス「まなびのあしあと」全国展開
TOPPANデジタルは、子ども一人ひとりの心身状態と、自治体が保有する教育・健康データを安全に連携することで、学校生活に不安を抱える子どもを早期に発見・支援する新サービス「まなびのあしあと」を開発し、全国の自治体への提供を開始した。
新サービスでは、2023年から福島県会津美里町の小中学校に通う約1200人を対象に9ヵ月間の実証が行い、心身の変化の検知精度と、それに基づくケアの有効性が確認されている。複雑化する子どもの問題への早期対応と未然防止を目指す。
教育・健康情報を統合し、見えない不安を可視化
文部科学省の調査によると、不登校の児童生徒は2024年に過去最多の34.6万人に達しており、支援の必要性が高まっている。一方で支援現場は人手不足や情報の分断により、対応が後手に回るケースも多い。
「まなびのあしあと」は、子ども自身が毎日の体調や感情、睡眠時間、朝食の有無、学校生活の感想などをポータルに入力する仕組み。入力データは教員用ポータルに共有され、心身の変化を即座にキャッチできるよう設計されている。
さらに、出欠席や通知表、保健室利用履歴などの教育データに加え、健診や予防接種履歴、子育て支援記録など約100項目の健康福祉データを、個人情報保護に配慮しつつ統合。京都大学・愛知教育大学の専門家が開発した分析手法により、不登校リスクに関わる要因を抽出し、教員ポータルにアラートで通知する。
個別最適な支援を可能にし、子ども一人ひとりに寄り添う仕組みへ
TOPPANはこれまで情報加工技術や個人情報管理などの分野で培ったノウハウを活かし、「まなびのあしあと」によって困難を抱える子どもを未然に支援。重篤化の防止や個別最適な対応につなげる。
教育と福祉の連携が求められる今、自治体や学校現場がデータをもとに迅速な対応を取れるかどうかが、支援の質を大きく左右する。TOPPANの新サービスは、子どもたちの小さな変化を見逃さない、新たな見守りのかたちを提案している。