電流協 電流協アワード2025大賞「コロコロコミックのDX」「絵本ナビプレミアム」選出 特別賞には出版書誌データベース「Books」&TOPPANクロレの「日本語長文AI音声制作システム」
一般社団法人電子出版制作・流通協議会は「電流協アワード2025」の受賞結果を発表した。
読書習慣の醸成や電子出版の裾野を広げる取り組みが高く評価され、「コロコロコミックのDX」(小学館)と「絵本ナビプレミアム」(絵本ナビ)が大賞に選出された。今回で8回目となるアワードでは、特別賞も2件選出された。
コロコロコミックのDXが子どもの読書体験を拡張
「コロコロコミックのDX」は、紙媒体に加えて、WebサイトやYouTubeチャンネル、オリジナルゲームなど、多面的なメディア展開により小学生世代への読書機会を広げた点が評価された。特にYouTubeチャンネルは登録者数約300万人、月間1億2000万再生という規模で、デジタル空間における読書の入り口として大きな役割を果たしている。
紙媒体にとどまらず、マンガ文化を時代に即して展開していく姿勢が、子どもの読書習慣を支える新たなモデルとして注目を集めた。
絵本ナビプレミアム、家庭での絵本選びを支援
一方、「絵本ナビプレミアム」は、年齢や興味に合わせた絵本を自宅から探せるサービスを強化し、読み放題コンテンツの提供を通じて絵本市場の活性化に貢献している。絵本や児童書の全ページ試し読み、絵本動画、オーディオブックなどを取り揃え、電子的なアプローチで読書の裾野を広げてきた。
家庭での読書支援と電子出版の融合が評価され、今後の教育的な可能性も期待されている。
特別賞には書誌データベースとAI音声制作
特別賞には、2件が選ばれた。1つは、一般社団法人日本出版インフラセンターによる出版書誌データベース「Books」。書籍だけでなく雑誌や電子書籍、オーディオブックなど多様な出版形態を網羅し、読書バリアフリーの実現に向けた取り組みが評価された。もう1つは、TOPPANクロレが開発した「日本語長文AI音声制作システム」。従来よりも効率的かつ高品質な音声制作を可能にしたこの技術は、教科書や教材の音声化にも応用され、読書支援の新たな技術基盤として注目されている。