矢野経済研究所 動画に関する市場調査結果を発表 「動画コンテンツビジネス」2025年度・6,300億円規模、「国内動画制作サービス市場」2027年度・5,400億円に拡大の見通し

株式会社矢野経済研究所は、動画コンテンツビジネスおよび国内動画制作サービス市場に関する調査結果を発表した。同社は2025年度の動画コンテンツビジネス市場規模は前年比105.3%の6,300億円、動画制作サービス市場は2027年度に5,400億円へ拡大すると予想している。動画マーケティングや社内DX推進など、企業活動のあらゆる場面で動画の活用が広がっている。

動画コンテンツビジネス市場、堅調な拡大続く

同研究所によると、2024年度の動画コンテンツビジネス市場(主要4市場計)は、事業者売上高ベースで前年比103.7%の5,985億円と推計。動画編集ソフト、動画配信プラットフォーム、アニメ制作がプラス成長を維持する一方、ライブ配信アプリは一部で伸び悩んだ。しかし全体としては企業の動画活用需要が高まり、市場は堅調に推移している。

注目されるトピックとして、動画マーケティングや社内DXの進展に伴い、動画制作サービスの需要が拡大。撮影技術や編集技術の向上に加え、案件ごとに専門性の高い制作チームを組む体制が整いつつあり、制作品質も年々向上している。ドローンやロケ撮影などの特殊撮影サービスも増加し、顧客の多様なニーズに対応する環境が整備されている。

動画コンテンツビジネス市場規模推移(主要4市場計)

2025年度には市場規模が6,300億円に達する見通しで、動画編集ソフトや配信プラットフォーム、ライブ配信、アニメ制作の各分野が安定的な成長を続けると予測されている。

動画制作サービス市場、需要の二極化進む

一方、国内動画制作サービス市場は、2024年度に前年比106.2%の4,238億円と推計。YouTubeやTikTok向け動画制作が好調に推移し、企業によるブランディング目的の動画需要や大阪・関西万博関連広告が市場拡大を後押しした。2025年度はさらに成長し、前年比108.1%の4,580億円に達する見通し。

動画活用の用途は広告だけでなく、販促、採用、教育、EC商品説明などにも広がっている。SNSやOTT向けの短中尺動画やインタラクティブコンテンツの需要が拡大し、2027年度には市場規模が5,400億円に成長すると見込んでいる。

国内動画制作サービスの市場規模推移・予測

価格帯別では、「5,000万円以上」の高単価案件は件数は限られるものの、市場全体の成長を牽引。テレビCMや国際イベント向け映像など、高品質・大規模な制作に対する需要が根強い。一方、「1,000万円未満」の案件はSNS運用やWeb動画を中心に裾野を広げている。

関連記事

最新記事