マキノ出版 民事再生法の適用を申請、負債は債権者約90名に対し約15億7200万円

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「壮快」など健康出版のマキノ出版(資本金5000万円、東京都中央区日本橋茅場町、代表室橋一彦氏、従業員39名)は、3月2日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日同地裁より保全・監督命令を受けた。

 申請代理人は植田統弁護士(東京都港区南青山1-1-1、青山東京法律事務所、電話03-6447-4823)ほか1名。監督委員には安藤信彦弁護士(東京都千代田区永田町2-14-3、安藤総合法律事務所、電話03-3597-7700)が選任されている。

 同社は1977年(昭和52年)10月に設立された出版社。主力の出版事業では、健康雑誌のパイオニアである『壮快』をはじめ、女性向けに美容や健康に関する情報誌『ゆほびか』、健康情報全般を掲載する『安心』のほか、家電や文房具などの最新情報を紹介する実用情報誌『特選街』の発行を手がけていた。また雑誌で掲載した記事を編集した書籍やムック本などを年間90点ほど出版していたほか、広告事業も手がけていた。

 出版売り上げの約7割を『壮快』が占めるなど、40~70代を中心に健康関連の雑誌出版社として認知度が高く、長年の実績に裏打ちされた企画力の高さは大きな強みとなっていたほか、雑誌以外でも単行本で『最強の野菜スープ』シリーズがベストセラーとなるなど根強いファンを有していた。健康関連と生活関連のユーザーニーズを取り入れた企画物を重視した編集を行い、雑誌別冊・ムック本・単行本の販売が好調だった2004年2月期には年売上高約36億1800万円を計上していた。

 しかし、近年はインターネットの普及や活字離れ、購読者の高齢化が進むなど主力雑誌の売り上げが落ち込み、2022年2月期の年売上高は約14億5600万円に減少。この間、赤字決算が散発し、財務内容も悪化するなど厳しい経営を強いられていた。法的手続きにより再建を目指すこととなった。負債は債権者約90名に対し約15億7200万円。(帝国データバンク調べ)

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