アグフア、中国・アセアンの印刷関係者が 共立アイコムを見学

8-15-アグフア 日本アグフア・ゲバルト㈱(松石浩行社長)は8月5日、6日の両日、中国、アセアンの印刷会社からの要望により、現像レスプレート「アズーラ」で速乾印刷を実現している静岡県藤枝市の㈱共立アイコムと、網点品質により高級印刷を提供している京都市の㈱サンエムカラーの見学会を行い、約30名が参加した。
 共立アイコムの見学ではアズーラによる速乾印刷の原理を説明した後、工場で実演。最後に同社の大石修執行役員生産本部長が具体的な数字を示しながら速乾印刷のコスト削減効果を明らかにした。
 速乾印刷に取り組み始めたのは2012年12月。大石生産本部長は「当初は信じられなかったが、速乾印刷を実践している3社を見学し、我々もできると確信した。低価格、短納期、印刷不良、生産性の伸び悩みの課題は、速乾印刷をスタートして3ヵ月後に大きなコストダウンという効果とともに解消していった」と当時を振り返る。加えて、「最も変わったのが社員の意識」と述べ、目に見える効果が現場のモチベーション向上につながったことを報告した。
 印刷の実演では乾燥しにくいマット紙に濃度のある絵柄を印刷。印刷後にインキの付き具合を確認し、5分後に2tの圧力で断裁。さらに30分後に断裁し、時間の経過とともにインキの裏付がなくなることを実証した。また、コート紙に230%を超える総インキ量の絵柄濃度で印刷し、乾燥性を披露。参加者からは「乾燥がこんなに早いと思わなかった」、「重い絵柄でも乾燥していたことに感心した」という感嘆の声が聞かれた。
 大石生産本部長は実演後、年間でパウダー量が約104万円、インキが約22万円、予備紙が約200万円削減され、時間コストや生産性の向上を加えて年間約2.000万円のコスト削減につながっていることを説明。最後の質疑応答では使用している湿し水やインキなどの質問が続き、アズーラによる速乾印刷導入の動きが海外でも始まっている事が伺えた

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