印刷業界ニュース ニュープリネット

Ferture特集記事

【ビジネス】サンエムカラー
LFPプリンタswissQprint「Oryx3」導入
レプリカ、サインディスプレイの事業領域拡大

main17

2020.5.8

8K印刷の超高精細印刷「燦・エクセル・アート」を世界に先駆け商品化した株式会社サンエムカラー(松井勝美代表取締役会長兼社長)は、2019年7月にswissQprint社のワイドフォーマットUVインクジェットプリンタswissQprint「Oryx3」を導入した。「究極を超える」品質を追求する同社にあってswissQprint「Oryx3」はレプリカ、和紙、金屏風など美術作品の品質をさらに高めるとともに、ガラスや金属、布地のサインディスプレイ、グッズ用品など新たな事業領域を開拓している。

 

感動を再び味わえるレプリカ 

 

Oryx3

Oryx3

サンエムカラーは1984年に松井勝美会長がオフセット印刷工から創業し、高度な技術力で書画のレプリカや伝統工芸品(掛軸・色紙・ミニ屏風)など特殊技術の美術印刷を得意としてきた。2016年9月には世界に日本の芸術作品を広める「株式会社燦京堂」を設立。書画のレプリカや掛け軸、金屏風、伝統工芸の製作、写真家、デザイナー、クリエイターの活動をサポートするイベントを手掛けている。

「究極を超える」品質を実現するために導入したswissQprint「Oryx3」を松井勝美会長は「美術館で作品に感動した後に、レプリカや印刷物でがっかりするようなことがあってはならない。感動を再び味わえることが出来るレプリカや印刷物でなくてはいけない。感動を手に触れ、心に訴える美しい色を再現できるプリンタがswissQprint「Oryx3」だった。感動する作品を作るのが私たちの喜びだ」と述べる。

swissQprint「Oryx3」は最大印刷幅2.5×2mのフラッドベッド、CMYK+最大5色のカラーチャンネルを持ち、少量生産でクリエイティブ・実験的な市場に対応する。サンエムカラーは昨年7月に導入後、大きなプロジェクトの複製画作品の多くをswissQprint「Oryx3」で製作した。日本画の巨匠の作品の撮影と複製画製作、浅井コレクションの浮世絵「文明開化」カレンダーの電飾看板広告、ホテルの巨大壁画の作品を手掛けて高い評価を得た。

CDC事業部マネージャー大畑政孝氏は「サンエムカラーは原物、原画以上の色、質感を追求している。swissQprint「Oryx3」はCMYK4色とライトシアン、ライトマゼンタを使い、RGB再現に近似している。ライトカラーは自然な肌合い、滑らかなグラデーションが表現でき、服飾ファッション、ファブリックなどサインディスプレイへ事業領域を広げている。最大9色まで拡張できるので白インクは透明のメディアや暗いメディアの時のハイライト、クリアインクはガラスや金属の印刷で私たちの予想をはるかに超える再現性だ。またインクはUV硬化しても色が沈まず、浮世絵や屏風などの作品も微細な色合いを再現できる。LED硬化は低温で行われるために和紙などのメディアに強い。インクジェット用の和紙だけでなく、手漉きの和紙にも出力でき、収益性の高い市場を開拓できる。アクリルやアルミ蒸着紙、木材、セメント、ターポリン、スチンレスボード、PVCボード、軟質の発泡パネル、ガラスや金属、さらに、フィルム、板紙など熱に弱いメディアに強い。swissQprint「Oryx3」はサンエムカラーの事業領域を広げている」と語る。

 

凹凸と光沢感あふれる複製画技法

「KASANE GRAFICA」

カサネグラフィカを新開発

 

サンエムカラーの本社2階は「スイスQプリントフロアー」と呼ばれている。フロアーには「ギガピクセル・アートスキャナ」が設置されている。縦方向最大2m、横方向が最大4mまで対応するデジタルアーカイブ用の高解像度大型スキャナはswissQprint「Oryx3」による凹凸と光沢感あふれる複製画技法の「KASANE GRAFICA」(カサネグラフィカ)を新開発した。

サンエムカラーが新開発した「KASANE GRAFICA」は、これまで平面だけだった印刷に質感を加え、存在感を持つ新しい複製画技法。平面なプリントではない質感はインクを何層も「重ね」ることで表現される。油絵具や胡粉の盛り上がり、岩絵の具の粒状感、金箔や金泥の光り方や色味を新しい印刷技術で再現し、本物の画材や木材などこれまで難しかったメディアにプリントすることが可能になった。

同社はこれまでの複製画のあらゆるアート作品は、平面に見えても、絵具やキャンバスなど素材の立体感が潜んでおり、その質感は本物である存在感や空気感をまとう重要な要素であるとしている。

これまでの複製画は平面であるがゆえに、色やディテールを追い求めても実物とは大きく違う存在感の差があった。

サンエムカラーが新たに開発した複製画技法「KASANE GRAFICA」は、その存在感に着目した。油絵はキャンバスの質感から絵具の盛り上がりまで表現する。

日本画は岩絵の具の微細な質感や絵画の持つ素材感を表現した。また、凹凸の表現に加えて作品の画材やメディアの光沢感までも再現する事で、平面が常識だった複製画の制約から、原画に肉薄した存在感を持つ複製画技法へとアップデートした。

複製画技法「KASANE GRAFICA」は、盛り上がり、光沢のコントロール、対応メディアの豊富とサイズ感まで、これまでに無い表現力を持ち、これまでのジークレー技法ではできなかった技法の組み合わせによって無限の表現力を可能にした。

松井会長は「優れた技術を積極的に導入しなければ進歩しない。サンエムカラーは顧客やその先にいるユーザーをいかに満足させられるかを考えている。印刷業界が豊かになるために独自の美しさを追及しています。印刷を通して日本の印刷文化発展のために貢献し、心を込めてしっかりした技術で芸術品にまで価値を高めていきたい」と今後の決意を熱く語った。