page2023ミニレポート 多様な事例を見にpage会場へ・・・事例からみる印刷ビジネスの可能性

「page2023」のリアル展示会が、東京・池袋のサンシャインシティ文化会館で2月1日から開幕した。今回のpage2023テーマは『創注』ということで、DXや効率化を取り組むためにも、確たる印刷の市場を獲得しようということを意識したテーマ設定となっている。
展示会場の各社ブースでもそれを意識した展示が多くみられ、実際に市場で受け入れられている事例や各メーカーによるコンペの上位作品も含め、多様な印刷物としての見本を手にとってじっくり見ることができる。

それに加えて、小部数でも高付加価値な印刷物を、いかに効率的に生産するか、あるいは省人化された現場でも、滞りなく生産力を維持するためにどうするのか、といった生産ワークフローのための具体的な提案も多くされている。

例えばコニカミノルタブースでは効率的な生産管理を実践している経営者らによる現場づくりについてのレクチャーが行われ、多くの人が集まっていた。
あるいはホリゾンブースでは、ワークフローシステムテムiCE LiNKと他社のシステムとの連携についても紹介するコーナーを設置。印刷会社がリアルに抱える、多メーカーをまたいだシステムのワークフロー管理についての提案となっている。

コニカミノルタブース内で、真興社・福田社長がネオストリームプロ等を活用した生産管理について解説
ホリゾンブースのiCE LiNKのコーナー
大塚商会のブース内に出展している富沢印刷のコーナー
大塚商会のブース内に出展しているコンパスのコーナー
日本アグフア・ゲバルトのブースでは、各種システムやソリューションのほかに、Sublima印刷コンテストの受賞作品も展示。印刷技術に工夫とアイデアを凝らした付加価値の高い注目の作品が並んでいる。
リコーのブースから
FFGSのブースから
キヤノンMJのブースから

具体的に、どのような印刷物が生産できるのか、あるいはどのようなビジネスが行われているのかについてのヒントも、多様な事例から見ることができる。
今年も多くの印刷会社のコマを設けて、印刷ビジネスのヒントを提案している大塚商会のブースには、タイミニグが良いと、その会社の経営者や営業担当者に話を聞くことができる。富沢印刷(東京)のコーナーでは五角形の形をした絵馬のデザインのノート「ゴーカクケイノート」の開発経緯を聞くことができた。「社内に受験生を抱えた家庭があり、応援グッズをつくろうということで誕生した」と商品開発の経緯を語ってくれた。受験に「合格」と「五角」をもじった「ゴーカクケイノート」は、Webサイトから1冊から発注できる。
またコンパス(大阪)のコーナーでは、二次元コードを利用したその場でできるくじ引きをしながら、LIMEXなど多様な素材のカードサイズの印刷見本を配っていた。担当者によると「お客様も含め、営業担当者の方も、意外と どのような素材に印刷ができるのかを知らない人が多いので、実際に印刷したものを見本として配ることにしました。使える素材について伝えやすくなると思います」と紹介していた。

また、インクジェットプリンターとガーメントプリンターをメインに出展していたリコージャパンのブースでは、Tシャツやトートバックなど布素材だけでなく、多様な素材にプリントした事例を出展。ブース内では設備投資の相談にも応じている。
富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(FFGS)のブースでも、多様な事例を出展。富士フイルムBIのイノベーション・プリント・アワードの2022年度に受賞した作品のほか、2022年に話題となった事例も展示。デジタル印刷の小ロット多品種への対応だけでなく、多様なメディアに、高付加価値な印刷という特長を活かして、顧客が ”欲しい” を実現する見本が紹介されている。
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)では、出力システムのほかに写真集・アルバムなど写真商材に関する多くの事例を展示している。アイドルグループの写真集ではデジタル印刷の特長をいかして個人の写真集を作成。ターゲットを絞った写真集となり、付加価値の高い商材となっている。あるいは写真集の中身は同じでも上製本にして写真作品(1点)とセット販売することで高額商品化した事例『赤道海国サントメ・プリンシペ』など、注目の取り組みが並んでいる。

いずれの事例も詳しく制作背景や開発の意図を聞いていくことで、すでにあるコンテンツや技術から付加価値の高いビジネスへとバージョンアップさせていくヒントが見えてくる。

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