低価格、専用紙不要

岩崎通信機はIGAS2015にUVインクジェット方式の産業用デジタルラベル印刷機「LabelMeister EM-250W（以下ラベルマイスター）」を出展するとともに、ラベルをはじめ、長尺アプリケーションやパッケージ、カードなど様々な印刷サンプルを用意し、注目を集めた。
ラベルマイスターは白インクが使用でき、アルミ蒸着フィルムや透明フィルムなどの基材を利用した時に多彩なデザイン表現や、視認性のよい印刷が可能。付加価値の高い商品ラベル作成に大きな効果をもたらす。
ラベル印刷機のデジタル化は市場で強い関心を集めているが、白インクの使用は必須。ラベルマイスターは白インク専用ヘッドをCMYKの４色ヘッドと直列で配置することにより、シングルパス方式の特徴である高速性を損なうことなく、白インクの使用を実現した。フィルムへの白インク出力による軟包装パッケージ、コートボールを利用した紙器パッケージまで、今後、適応する市場が拡大することも見込まれる。

開発コンセプトは①高速、②小型化、③低価格、④専用紙不要、⑤可変印刷。同社がラベル印刷市場に参入する第１弾の製品で、10,000枚以下の小・中ロットに適している。デジタル化で作業工程の簡略化、コストの削減、損紙や廃棄物による環境負荷の低減など、課題が一挙に解決。ラベル印刷の認識が変わる。
専用基材は不要。現在使用している基材がそのまま利用できる。また、印刷前の基材に対するプレコートは必要ない。しかも損紙を大幅に削減することができ、更には版材料が不要となる。廃棄物が非常に少なく環境にやさしい。※要事前のテスト印字。
出力速度は最高50ｍ／分。また、解像度は1,200dpi×600dpi（25ｍ／分出力時）。高品質印刷で量産機として十分な生産性を発揮する。インクの吐出方式には４段階の大きさの液滴をヘッドから画像に応じて吐出するバリアブルドット方式を採用。滑らかな階調表現で高品質な画像を形成することができる。

デジタル印刷ならではの長尺印刷（１つのジョブファイルサイズ：220㎜×2,000㎜）が可能。また、画像間隔を０㎜に設定し印刷することで、基材が続く限り継ぎ目の無い長尺印刷も可能となる。また、一枚一枚異なるデータを印刷するバリアブル印刷に対応。Ｋインクのみではなくカラー印字も可能で名前、数字、バーコードやその他あらゆる画像をバリアブル印刷することができる。また、タイミングマークを読み込んでの追い刷りも可能となっている。従来の印刷物にバリアブル印刷を行うことで付加価値が生まれ、ビジネスの幅が拡がる。
色の管理には基材ごとにICCプロファイルを用意している。また、プルーフは印刷機本機で出力することができるため仕事の効率が格段に向上する。
メンテナンスは容易で、重要なインクジェットヘッドのクリーニングを自動で行う。その他は定期的な清掃程度で稼動する。

細やかな出力設定が可能

RIPソフトは自社開発のラベルマイスターRIPを用意。ラベルデータに対してきめ細やかな各種設定が可能でデータを高品質かつ高速に画像処理することができる。また、シンプルな画面と容易な操作性はデータ出力を快適に効率よくサポートする。

各ジョブはサムネイルを表示することにより一目で判別。似たような画像であってもタイトルを加えたり出力日時やフォルダによって区別できるので簡単にジョブを管理することができる。また、各項目からのソートも可能。
ジョブを出力する際には再出力用ファイルを作成保存することができる。仕事先ごとに保管しておくことで、リピートオーダーでも処理時間を大幅に短縮して同じ出力条件で印字することが可能となっている。
データは広く使われているEPS、PS、AI、PDF形式のファイルと、ラベル美人専用ファイルが出力可能。出力設定時に基材の種類を選択することで自動的にその基材専用のプロファイルが設定され、常に安定した品質の印刷物を仕上げることができる。
出力時にはタイミングマークをデータに付加することができる。タイミングマークは追い刷りや後加工等との連動性、親和性を保つ。
データはホットフォルダへのドラッグ＆ドロップによって直接出力することができる。また、アプリケーションソフト「ラベル美人」からの出力は高度な面付けが容易に行え、操作性を向上させた。

「ラベル美人」で簡単ラベル作成

自社開発したラベル作成専用アプリケーションソフトの「ラベル美人」は、面付けやカットデータ作成機能などラベルデータの作成に必要な独自機能を多数搭載している。
出力時に画像の回転や部数、画像間隔を設定して効率よく面付けすることで基材のロスを抑える。またトータル枚数及び印字の長さも表示されるため、出力時に事前確認することで間違いのない出力ができる。
選択した画像に対しては、簡単にカッティング用のデータを作成。カットデータの種類や大きさも調整でき、多彩なカットデータが作れる。また、作成されたカットデータはEPSデータで保存でき、抜き加工に使用することができる。
バーコードはQRコード、JAN-13、CODE 39など種類を選択して値を入力するだけで容易に作成可能。また、コード文字列にバリアブルを選択するとバリアブルのバーコードを作成できる。また、連番文字やテキストをCSVファイル読み込みから作成できる他に、EPS／TIFF／PDFなど様々な形式の画像ファイルをバリアブル画像として配置できる。

岩崎通信機株式会社
TEL03-5370-5476
https://www.iwatsu.co.jp/