【インタビュー】テクノロール:畑中一辰社長 2026年「新化」テーマに 55周年に100億円企業を目指す
印刷ゴムロールのテクノロール株式会社は、創業46年を迎える2026年を節目に世界市場拡大と新事業展開を加速させる。2026年は「新化」をテーマに掲げ、高品質の印刷ゴムロールに加えて物流・デジタル印刷分野の市場を開拓する。海外市場においても中国、欧州、台湾、マレーシア、フィリピン、インドネシア、ニュージーランド、タイなどライセンシー(技術提携)企業と連携して商品開発・販売を展開する。畑中一辰社長に2026年の方向を伺った。
2025年の成果と海外市場について
テクノロールは和泉テクノステージの大阪本社で5つの工場を持っています。現在、UV・油性兼用のTRUST PROシリーズ、油性印刷ヴェロシリーズの印刷ゴムロールに加えて工業用コンベアの特殊ウレタンなどテクノロールが持つケミカル技術を生かした製品を開発し、樹脂・ゴムの配合設計から各種ロール、省力化機器の設計開発、製造・販売をワールドワイドに展開しています。
これまで台湾、韓国、マレーシア、フィリピン、インドネシア、ニュージーランド、タイ、中国(2社)、イギリス、ドイツ、ベトナムなど11か国12社とライセンシー契約を締結しています。
ベトナムではダナンに設計事務所「テクノダナン」を設立しました。ベトナムのライセンシー企業はウレタン注型機械の設計・製作を行い、テクノロールが提供するウレタン樹脂原材料の注型機械も同時に販売し、日本と同等の品質の製品を提供できる体制を整えました。
これにより「Made in Japan」の高品質ロールが、さらに世界に広がります。特にUV印刷では「TRUST PRO」が世界的ブランドの確立を目指しています。またシール・ラベル、フォーム印刷、金属印刷においても自動インキ濃度調整装置が導入されています。中国では金属印刷で大きなシェアを持ち、米国、メキシコ、南米でも引き合いがあります。
自動走行ラックシステム
デジタル印刷の塗布機TEC COATERについて
この間、テクノロールはゴムロールに加えて新しい事業の確立に取り組んできました。そのひとつとしてTEC自動走行ラックシステム2.0は、発表から約3年が経過し、導入されている会社は、製品をラックで管理できるために人手を省きます。物流倉庫は土地が限られるため自動走行ラックシステムは工場の有効活用が可能です。
このほど台湾のラックメーカーとの提携が実現しました。自動走行ラックシステムのラックを台湾企業が製造して日本と海外で販売します。日本では大手物流メーカーが、小ロットの物流市場で活用を進めています。
デジタル印刷対応のUVプライマーコーター「TEC COATER SYSTEM50」は、プライマー機であると同時にデジタル印刷の後加工機の機能が評価されています。デジタル印刷における前工程のプライマーとコーティングユニット、乾燥ユニットが連結して塗工・乾燥まで出来るため、デジタル印刷の塗布コーター機として注目を集めています。
コーターユニット、IR乾燥、UV乾燥を組み合わせて誰でも使いやすいコーター機です。2026年はデジタル印刷の後工程における塗布機として市場の拡大が見込まれています。
関東の拠点として2023年に開設した関東支店(川越)は1500坪の敷地を持ち、本社工場と同じように最終製品を作る体制を整え、関西で天災等の事態にあっても関東工場で補完できるようになります。
テクノロールは企業活動のあらゆる領域で「持続可能な社会の実現」を掲げ、SDGs(持続可能な開発目標)に基づく取り組みを行っています。環境マネジメントシステムの構築、健康経営と働きやすい職場づくり、カーボンニュートラルへの貢献、地域社会への貢献、ユニセフ・赤十字への定期寄付、地域清掃活動や地域行事の参加などを行っています。
全生産拠点では国際規格ISO14001を取得し、環境マネジメントシステムを構築しています。これにより、資源の効率的利用、廃棄物削減、環境リスクの管理を体系的に進めています。印刷業界はエネルギー消費が大きく、環境配慮はサプライチェーン全体の脱炭素化に直結します。
社員の健康と働きがいを重視した「健康経営宣言」を全社的に推進し、健康経営優良法人の認定取得、家族も含めた健康支援を行っています。製造業における人材確保が課題となる中で健康経営は企業の持続性を高める重要な基盤です。
さらに、地域社会との共生を重視し、国内外で多様な支援活動を行っています。ユニセフ・赤十字への定期寄付や地域清掃活動や地域行事への参加などを通して地域住民との交流を深め、地域の環境保全にも寄与しています。印刷・製造業は地域に根ざした産業であり、地域との信頼関係は企業価値の向上にもつながります。
印刷ゴムロールメーカーとしてのSDGsの活動は、単なるCSRではなく、製造業の未来を支える基盤づくりです。
印刷・製造業界全体が持続可能性を求められる中でテクノロールは、環境・社会・地域の三位一体でSDGsを推進する企業として、単なる環境配慮にとどまらず、「持続可能な製造業の未来を創る」という強い意志を持って推進しております。
2026年テーマ「新化」で100億円企業を目指す
テクノロールは2025年の45周年から55周年の2035年までに100億円企業を目指します。「我々は独自の技術を創生し、世界に問う、独自の技術を通じて社会に貢献する」という企業理念を掲げています。
2026年から売上高100億円実現に向けて掲げたテーマが「新化」です。2023年に株式会社宝製作所をM&Aでグループ傘下とし、2024年にベトナムに設計事務所「テクノダナン」を設立しました。宝製作所は研磨事業の拡充と軸の摩耗による修理の効率化を図り、売り上げの大幅アップを図ります。
現在、和泉市テクノステージには5つの工場が稼働していますが、新事業に取り組むスペースを確保し、売上高100億円実現に向けた具体的措置として2027年に新工場の建設と設備投資により海外向け輸出用原料の生産体制の増強、 新たな海外ライセンシーの構築(インドネシア、インド、アメリカ、カナダ、ブラジル)など各国の展示会に出展計画を進めます。
テクノロールは「新しく化ける社員教育」、「新しい化学の追求」、「新しい変化による高品質」、「新分野新規開拓で顧客化を目指す」、「大きくい変化し、新しい時代の半歩前に」という五つの〝新化〟を2026年度のテーマとして一層、お客様に貢献できる製品を提供して参ります。
- テクノロール株式会社
- 代表取締役社長 畑中一辰氏
- 大阪府和泉市テクノステージ3丁目4-5
- https://www.technoroll.co.jp/




