文星閣 昭和島に新本社工場竣工で落成披露式典を盛大に開催

昭和島に竣工した文星閣の新工場
昭和島に竣工した文星閣の新工場

東京都大田区の文星閣は、昭和島に完成した新本社工場落成披露式典を、4月8日、午前と午後の2回に分けて開催した。式典には関係者、得意先企業などから約600人が出席して落成を祝った。

式典冒頭、新本社竣工までの足跡を記録したDVDを上映した。工場建設にあたっては社内に「新工場建設プロジェクト」が発足され、取り組んできたことが紹介された。

新社屋の落成披露式典には約600人が集い、新社屋を見学した
新社屋の落成披露式典には約600人が集い、新社屋を見学した

新工場の敷地面積は2,643㎡、4階建・述べ床面積5,328㎡の工場で、大田区久が原にある旧工場の1.5倍に相当する。杭基礎長さ34mの杭が45本打ってあり、1・2階の印刷室の耐荷重は㎡3トンに対応する。そのため新工場は、①建物の強度が高く、②新しい印刷機(6色両面UV印刷機)を含む8台の印刷機が稼働し、③立地に優れているといった大きく3つの特徴があることが解説された。

挨拶する文星閣・中嶋社長
挨拶する文星閣・中嶋社長

DVD上映の後、新工場について瀬高副工場長が概要を説明。続いて、中嶋幸保社長から挨拶があった。

中嶋社長は、「世相的にも厳しく、印刷業界はさらに厳しい中で、新本社工場を竣工したことは、常に前を向き、上を向いていく決意の証しでもあります。また新たに導入したUV両面6色(12色)印刷機を、ご覧になって頂きたい。是非、皆様の会社の東京工場あるいは第2工場として活用して頂けたら幸いです。本日より、決意も新たに、名実ともに東京一の工場になるよう、社員一丸となって精進してまいります」と決意を語った。

続いて来賓祝辞として、小森コーポレーションの持田訓社長と、大田区の松原忠義区長が挨拶した。

お祝いを述べる小森コーポレーションの持田社長
お祝いを述べる小森コーポレーションの持田社長

持田社長は、「新工場は外装の素晴らしさもあるが、内側の導線への配慮や高い天井など、新しい工場の特権ともいえますが、生産性が上がるだろうと感じます。12色の新しい印刷機のに搬入が終わり、4月中旬以降に本稼働に入れるのではないかと思うが、旧工場からも機械を移設し、総計8台の機械が並ぶ、約70ユニットを持つ国内でも稀な規模の工場になると思う。印刷機の内容も、一貫したワンパスの機械、UV印刷機、水なし印刷機とバラエティのある機械が勢ぞろいする場所となり、持ち前の良さが発揮できるのではないか。この工場を利用して、環境にも、従業員にも、お客様にも優しい、そして立地も良いということ合わせて、新しい可能性が出てくるのではないでしょうか」と期待感を語った。

お祝いを述べる松原区長
お祝いを述べる松原区長

また松原区長は、「大田区には約3500の物づくり工場がある。私自身、水なし印刷にも興味があるが、世界一の印刷機を導入して頂いたということで、今後の展開を楽しみにしている。最先端を目指す国際競争力の時代なので、この工場は日本でも屈指の印刷工場になるのではと思い、大変うれしく、心強い。大田区は、羽田空港の近くに、新産業創造・発信拠点という新しい施設を建設する予定で、国際会議場やイベントホール、食文化ゾーン、自動ロボット、最先端医療など、新しい日本の最先端の発信拠点として世界中、国内外の商取引が一度にできるようなことを考えている。その拠点と区内のものづくりの中小企業といかに連携し、活性化していくかが課題になっており、是非、一緒に発展を進めてもらえたらうれしい」と述べた。

祝辞の後、自由見学の時間となり、参加者はUVの菊全6色両面機がすでに設置されている1階から式典会場だった2階、事務所や刷版室のある3階、屋上と食堂エリアのある4階まで自由に見学して解散となった。

1階に搬入されたUV印刷機の菊全6色両面機LITHRONE GX-1240RP
1階に搬入されたUV印刷機の菊全6色両面機LITHRONE GX-1240RP

なお、新工場について語った瀬高副工場長は、旧本社工場の課題と新工場のメリットについても解説している。それによると、旧工場は、近隣環境においてマンションやアパートの増加による騒音対策、通勤通学の人との交通事故への懸念を抱えていた。建物の老朽化と、印刷機もUV機と油性機が混合しており、3フロア5ブロックに分かれた印刷現場は作業効率が悪く、天井が低いことによるダブルデッカー印刷機への影響と作業性の悪さや、来客スペースが少ないことも課題だった。

自動の紙ラック倉庫には335パレットが収納可能。紙の搬入・搬出を効率化する。
自動の紙ラック倉庫には335パレットが収納可能。紙の搬入・搬出を効率化する。

一方、新本社工場のメリットは、大型トラックの受け入れや夜間作業の騒音問題が解消し、印刷室が2フロア2ブロックに集中することで(1階UVフロア、2階水なし油性フロア)、作業効率の向上が期待できる。印刷室も階高6mという高さで、ダブルデッカーなどの印刷機に対する環境も改善された。加えて印刷室の温度・湿度の安定化や、作業員に対する作業環境の向上も図られ、3階は印刷機が設置できるように設計されているため、将来的にも最大12~14台までの印刷機の拡張が可能となる。加えて自動の紙ラック倉庫の採用により、用紙のスムーズな入出庫管理も実現している。

立地についても、周囲には用紙関連倉庫や製本加工の協力会社が集積しているため用紙搬送の移動時間も短縮。駅からも近く、公共機関を利用した都心からのアクセスが向上する。加えて羽田空港が近いため、様々な顧客への対応も可能で、社内的にも文星閣の各部署の代表が集まり、可能な限り社員の要望を取り入れた社屋となっている。また4階には大会議室を新設。社員全員が集合できるスペース。大人数の工場見学にも対応可能。多種多様な来客スペースが増え、スムーズな対応が可能となった。

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