嘉瑞工房 「活版印刷と装飾文字の世界」2月20日から新宿区で開催 新欧文金属活字とアーティストの感性が交錯する展示
有限会社嘉瑞工房は2月20日から24日まで、新宿区の本づくりハウスで「活版印刷と装飾文字の世界 AK Renaissance Pb を彩る文字アーティストたち」を開催する。同展は、東京平版株式会社と株式会社竹尾の協賛を得て、21世紀に誕生した新欧文金属活字「AK Renaissance Pb」と、文字アーティストたちの手仕事による装飾文字が融合する貴重な機会となる。
同展は、ルネサンス期の奇妙な恋の物語として知られる『ポリフィーロの夢』英語版の一節を、21世紀に誕生した新欧文金属活字「AK Renaissance Pb」によって黒一色で刷り、その冒頭の頭文字「N」を文字アーティストが手作業で彩るという構成で展開する。活版印刷による均質で静かな文字の列と、そこに重ねられる装飾文字の表情は、初期印刷本において活字とイルミネーションが共存していた時代の制作環境を現代に引き寄せる。
同展示で用いられている台紙は、嘉瑞工房の高岡昌生氏が AK Renaissance Pb を用いて組版・印刷を行っている。タイポグラフィとカリグラフィという異なる領域が対話する同企画は、デジタルが前提となった現在の制作環境において、文字表現の物理性と造形性をあらためて問い直す試みとなっている。
また、会場内の築地活字ブースでは、AK Renaissance Pb の活字を含む関連物販も行われる。
AK Renaissance Pb について
AK Renaissance Pb は、タイプディレクター小林章氏が書体デザインを担当し、築地活字から2025年3月に発売された欧文金属活字。日本では母型製作が行われていない現状のなか、同書体の鋳造を担当する小宮和貴氏が台湾の日星鑄字行に相談したことをきっかけに、同社の張介冠氏が母型の製作を引き受ける体制が整った。小林氏による書体設計と、張氏・小宮氏・築地活字との継続的なやり取りを経て、16ポイントサイズの活字が完成している。金属活字の製作基盤が失われつつある日本において、国内外の専門家の協働により成立した同書体は、現在の印刷環境における金属活字の可能性を具体的に示す存在となっている。
開催概要
- 期間:2026年2月20日(金)~24日(火)
- 時間:12:00~18:00
- 会場:本づくりハウス(東京都新宿区新小川町5-9 クラフト孝和1F)
- 入場料:1,000円
- 出品者:河南美和子、三戸美奈子、清水裕子、下田恵子、白谷泉、立野竜一、長嶋泰子、乗松清馬、橋口恵美子、深谷友紀子、星幸恵、李家裕子
- 特別招待:ミュリエル・ガチーニ、ヨアヒム・ミュラー゠ランセイ、鳥海修
- 参考出品:沙羅
- (敬称略)
なお、本展示会の収益は、AK Renaissance Pb の8ポイント活字の製作のために活用される。
