京セラドキュメントソリューションズ 捺染インクジェットプリンター「FOREARTH」プリント生地が「2026年春夏ミラノ・ファッションウィークメンズ」で ファッションブランド「SETCHU」によりデザイン・制作
京セラドキュメントソリューションズ株式会社の捺染インクジェットプリンター「FOREARTH」でプリントされた生地を使用し、ファッションブランド「SETCHU」によりデザイン・制作された作品が、2026年春夏ミラノ・ファッションウィークメンズで披露された。環境負荷低減を追求したサステナブルなプリント技術が、世界的な舞台でのファッション表現に活用された事例として注目される。
FOREARTHの技術で生まれた透明感あふれる衣装
2026年6月20日から24日までイタリア・ミラノで開催された同イベントのオープニングには、桑田悟史氏のブランド「SETCHU」が登場。透明感のあるシルクオーガンジー生地に、FOREARTHで和色と洋色のレインボー柄をプリントし、ヴィクトリアフォールズの虹を表現した。生地は三層に重ねられ、繊細で透明感のある仕上がりとなっている。
FOREARTHは水資源に依存しない捺染インクジェットプリンターのため、ミラノ市内のスタジオで迅速なサンプル確認が可能。リードタイムの短縮にも寄与し、デザイナーの意図を忠実に反映できる環境が整えられた。
ブランド「SETCHU」と桑田悟史氏のデザイン哲学
「SETCHU」は日本と西洋の文化や概念を融合させた「和洋折衷」に由来するブランドで、クラシックなモチーフを取り入れつつ、シンプルで機能的、ジェンダーレスなデザインを特徴とする。また、環境配慮の精神を重視し、サステナブルな素材や製法を積極的に採用している。
桑田氏は、FOREARTHの精密なプリント技術に感銘を受けたと述べ、「虹の微妙な角度や時間の変化を表現するために、生地を重ねることで繊細さを表現できた」とコメント。デジタル捺染だからこそ可能な表現で、独自性の高い作品づくりが実現したという。
FOREARTHの特長とサステナブルな取り組み
FOREARTHは従来の染色工程で多量の水を使用する問題や、在庫過多による大量廃棄の課題に対応するために開発された。水の使用量を限りなくゼロに近づけ、エネルギー消費量やCO2排出量を削減できる「Water Free Concept」、多種多様な生地に柔らかい手触りを残したまま高精細プリントを可能にする「Creative Free」、水資源に依存せず設置場所を選ばずに生産できる「Location Free」といった特徴を備える。
2025年4月には、ミラノにFOREARTHを体験できるショールーム「FOREARTHエクスペリエンススタジオ」を開設。実機デモやプリントサンプル作成を通じて、サステナブルなテキスタイルプリントを体験できる環境を提供している。