興雄社 SDGs、環境対応のペーパーリング製本が伸びる~紙製タンザックカレンダー、天のり、クロス巻き製本に強み

 東京都葛飾区白鳥の有限会社興雄社(佐藤要介社長)は、2022年10月に渡辺通商のペーパーリング製本機「RBM-420D」を導入し、環境保護配慮、SDGsに対応するペーパーリング製本の受注を伸ばしている。企業活動や環境対応、SDGs(持続可能な開発目標)という社会ニーズに沿ったペーパーリング製本の市場を拡大している。

ペーパーリングの卓上カレンダー

 同社は1960年に創業以来、最終製品の製本を担う「品質の堅実性」を一貫して追求してきた。前工程(印刷)のミスも逃がさない品質管理体制を構築し、CCDカメラ画像検査装置、バーコード管理により乱丁、落丁防止などを皆無にしており、一つの不良をも出さない徹底した検査体制を構築。また環境問題においても針金を使わない紙製タンザクで綴じるカレンダー製本機『Tanzac』を約25年前にいち早く導入。カレンダー、天のり製本、中綴じ、小ロットの和紙綴じ製本において「品質の堅実性」を追及している。

 佐藤要介社長はペーパーリング製本の傾向について「SDGs対応を求める企業や公共団体から環境にやさしいペーパーリング製本を求めるニーズが強まっています。昨年10月にペーパーリング製本を導入した時はカレンダー需要の後半期となっていたにも関わらず、引き合いが活発でした。ペーパーリング製本は伸ばせると実感しました。とりわけ卓上カレンダーは金属製のWリングからペーパーリングへの切り替えを望む会社が多くなっています。ノートやお絵描き帳もペーパーリング製本が出来ないだろうかという引き合いが進むのではないかと見ています。当社のペーパーリング製本機は増丁、落丁を皆無にする厚み検査装置を装備しています。厚み検査装置は他社機では装備していないので、当社の大きな特徴となっています。またリングは製本時に丸みを持たせ、きれいなペーパーリング製本に仕上げるようにしています。丁合や穴あけ、綴機にも検査装置を搭載し、『機械的な事故が皆無の製本会社』という評価を高めています」とペーパーリング製本の現状を述べている。

 さらに佐藤要介社長は顧客の環境配慮製本へのニーズの変化について「ペーパーリングの引き合いは今後も増えるでしょう。特に卓上カレンダーはデスクに一つ置かれる傾向にあります。紙製カレンダーについては、タンザックを長年経験していますので様々なノウハウを持っています。紙リングは品種や湿度、気候により管理が変わってきます。また製本品質を高めるために全自動と半自動で細かい操作を加えることで高品質の紙リング製本に仕上げています。ペーパーリング製本機の選択にあたっては様々なオプションを加えて全自動と半自動により高品質の紙製リング製本を仕上げます」と同社独自の技術による高品質の紙製リング製本を説明する。

Tanzac520カレンダー製本機
佐藤要介社長(中央)と興雄社の社員
渡辺通商ペーパーリング製本機RBM-420D

 ペーパーリング製本機「RBM-420D」は、金属製リングを使用していないので、そのまま全てをリサイクルでき、同社が得意とする紙製カレンダー製本機「Tanzac」と両輪で紙製リング製本市場を拡大する。

 佐藤要介社長は「お得意先がSDGs対応を求めていることもあり、ツインリングカレンダーをペーパーリングに変えたいという要望が続くでしょう。ただ技術的に難しいために出来る製本会社が少ないのが現状です。当社がこれまで培ったタンザックのノウハウを生かしてお得意先のニーズであるSDGsと環境配慮に対応したカレンダーやノート、企業のカタログや冊子を高品質なペーパーリング製本で提供していきます」と今後の方向を述べている。

ペーパーリング製本の名画ぬり絵帳
天のり製本
大谷祥平選手の紙製タンザックカレンダー

<『有限会社興雄社』概要>

有限会社興雄社
東京都葛飾区白鳥4-19-15
代表:佐藤要介氏
TEL 03-3601-7310
FAX 03-3601-7319
https://koyusha.jp/

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