凸版印刷 ローカル5Gの通信環境構築における電波に関するシミュレーターの有効性を検証 

凸版印刷株式会社は、太陽計測株式会社と国立研究開発法人情報通信研究機構(以下 NICT(エヌアイシーティー))と連携して、「同一エリアに多数の基地局・端末が存在する環境における、ローカル5Gの安定運用と高速通信の実用化」に関する実証実験を行った。

本実証では、ローカル5G通信環境を整えた隣接する2つの実験室にて、壁面にシート状の電波環境改善部材を施工し、ローカル5G基地局や電波環境改善部材の配置をシミュレーションにより最適化。実際にデータを高速で送受信することができた。本実証から、電波干渉の低減と電波シミュレーターの有効性を確認した。

ローカル5G通信環境を整えた実験室

なお、本実証実験は、総務省の補正予算案件の「多数の機器が存在する環境下におけるローカル5Gの技術的検討」の下で、NICTからの業務委託「ローカル5Gの柔軟・効率運用を目的とした干渉・共用条件検討のための測定業務」として実施した。

凸版印刷は今後も、太陽計測とNICTと連携して、同一エリアに多数の基地局・端末が存在する環境における、ローカル5Gの安定運用と高速通信の実用化に向けた取り組みを推進していく。同時に、ローカル5G関連企業等と連携し、軽量・薄膜で意匠性のある電波環境改善部材の開発を推進すると共に、電波に関するシミュレーションと電波計測を基にした、電波環境改善ソリューションをローカル5Gユーザーに提供し、安全安心な高速通信環境の実現に貢献をする。

 

■   実証実験の概要
実施期間:2022年12月1日~2023年3月31日
実施場所:NICT「ローカル5G屋内テストベッド環境」(神奈川県横須賀市)
実証の目的:ローカル5Gの通信環境における干渉・共用条件の検討
実証の内容:
(1)電波に関するシミュレーション
・      電波伝搬シミュレーターにより電波干渉の発生に関する各種条件を算出
(2)電波の実測
・      ローカル5G基地局を1台ずつ取付けた隣接する2部屋における電波を測定。
・      部屋間の壁全面に電波環境改善部材を各種条件で設置後、隣接する2部屋の電波を測定。
実証の結果:電波環境改善部材を最適配置することで、ローカル5Gの電波干渉の低減を確認。

3者の役割
・      NICT:テストベッドの運用
・      太陽計測:実証管理
・      凸版印刷:電波環境改善部材の選定、シミュレーターの構築と運用、電波実測

実証実験の電波イメージ図(左:一般的な室内壁の場合、右:電波環境改善部材を室内壁に設置した場合)
シミュレーションと測定結果

関連記事

最新記事