ハイデルベルグ・ジャパン 共進ペイパー&パッケージにXL106など導入、 ”オフセット印刷の逆襲” 体現へ

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熱く肘タッチを 交わ す 共進ペイパー パッケージの鍛治川和広副社長(右)とハイデルベルグ・ジャパンのヨルグ・バウアー社長

ハイデルベルグ・ジャパンは、共進ペイパー&パッケージの関東工場(千葉県千葉市)へ7色コーター付きスピードマスターXL106を中心とする印刷システムを導入したことに伴う記者発表会を、1月21日、オンラインで開催した。

この度、共進ペイパー&パッケージに導入された主な内容は、最新のスピードマスター XL106-7+LとCtPシステムのスープラセッターという最先端オフセット印刷の設備と、極小ロットに対応するためのフラットベッド機2台(Durst rho 160/200)。最先端オフセット印刷システムを導入したことで、Primefireで行ってきたハコプレデジタル戦略の継続と印刷紙器事業の効率化を一気に進めると共に、フラットベット機の導入によりオフセット印刷機では対応しきれない極小ロット印刷への対応および伸長著しいPOP製造の拡大及び効率化を目指す。

オフセット印刷機が可能とするものがさらに進化

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共進ペイパー&パッケージの関東工場に導入された7 色コーター付きのスピードマスター XL106は新しいビジネスモデルを支える中心的存在となる

スピードマスターXL106、スープラセッター、プリネクトプロダクションマネージャー、システムサービス36プラス(サービス契約)という包括的な印刷システムの導入について、同社の鍛治川和広代表取締役副社長は、「最近のデジタル技術を活用したオフセット印刷の技術革新は目を見張るものがあり、まさに “オフセット印刷の逆襲” と言う表現がピタリと当てはまります。プライムファイア106の生産が終了したことは非常に残念であり、入れ替えを決断したきっかけでした。しかし、弊社がプライムファイア106で目指していたほとんどのビジネス領域、例えば、小ロットのパッケージ、紙袋、什器等は、最先端のオフセット印刷機スピードマスターXL106を中心とする印刷システムで獲得できると判断し、決断しました」と導入理由について述べている。
新しいパッケージおよび厚紙印刷の本機校正から本生産へというビジネスモデルについては、「商業印刷会社の多くは、すべて薄紙を印刷しているというわけではなく、厚紙印刷をしなければならない場合が時々あります。しかし、自社で厚紙印刷をするには、時間も手間もコストもかかり効率が悪い。そこを私たちが、最先端の効率化によるオフセット品質でのコスト優位性を生かし、既に成功しているハコプレ事業と同様に、小ロットの厚紙印刷を大量に集めることで価値を提供しようというのが、今回のビジネスモデルです。商業印刷会社がオンラインで、より簡単に、そしてより適正なコストで発注できるビジネスモデルとして育てていきたい」と決意を述べ、「導入した機械はプライムファイアと同様の7色機。今後は、全く新しい多色分解システムプリネクトマルチカラーにも挑戦していきます」と抱負を語った。

続いて、スピードマスターXL106の製品担当である、ハイデルベルグ・ジャパンのエクイップメントソリューションズ本部シニアマネージャーの曽篠靖之氏が、XL106導入メリットや目的などを解説した。

「この度のご提案は、オフセット印刷機を使った次世代型生産方式のご導入を、甲子園工場も含めた共進ペイパー&パッケージ様のビジネス全体に及ぶパラダイムシフトへのトリガーとする事であり、『属人性の排除』『システムによる品質担保』『データ=アウトプットの価値』という3つのポイントを始めとするマーケットトレンドへの対応力強化でした。更に、これにより他のデジタル印刷機は、それらの得意とするジョブや、デジタル印刷機でしか出来ないジョブに、さらに集中する事が可能になります。その結果、お様様の全体最適に貢献させて頂きたいという想いが私共のご提案骨子です」と語った。

それを実現するため納入後1年間、実際のデータに基づいた評価・分析・目標設定等を行い、実際のパフォーマンスを定期的にチェックするミーティング「マンスリーコール」を含めた「スーパーフレキシブルランシステム」というプロジェクトを両者間で行うことについても紹介。全く新しい多色分解システム「プリネクトマルチカラー」をはじめ、スピードマスターXL106で利用可能な、非生産時間の劇的な短縮を可能とする「ハイカラーマルチドライブ」、属人性の排除を促進するためのAI機能等についても解説した。加えて、包括的にサポートする象徴『Always A Step Ahead Support』として、機器やシステムから供給されるデータに基づき、随時適切な対応を施すことで、最適な状態を保ち、マシンダウンそのものを回避する取り組みがあることも語った。

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スピードマスター XL106 の 真 横に設置してある サーマルCtP レコーダー スープラセッター 106 (オートパレットローダー、オートベンダー装備)

発表会の最後には、ハイデルベルグ・ジャパン 代表取締役社長 ヨルグ・バウアー氏が挨拶に立ち、「ハイデルベルグがプライムファイアの生産を中止したことは残念でしたが、今日、7色コーター付きのスピードマスターXL106を中心とした私どものソリューションが、共進ペイパー&パッケージ様の新しいビジネスモデルを実現するために稼働しているのを目にすることができたことは大変喜ばしいことです。また、”オフセット印刷の逆襲”として、私共のソリューションが全体最適によりお客様のビジネスをさら広げる可能性があることを、鍛治川副社長様にご理解いただいたことには大変感激いたしました。今後も、共進ペイパー&パッケージ様のビジネスの成功のために共に努力していきたいと思っています」と締めくくった。

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