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日本デザイン振興会 2021年度東京ビジネスデザインアワードで最優秀賞を特殊印刷加工技術を応用したプロダクトが受賞

集合写真
受賞者および審査員らによる集合写真

東京都が主催し、公益財団法人日本デザイン振興会が企画・運営を行う東京ビジネスデザインアワードが行われた。その提案最終審査会が2月8日、開催され、テーマ賞を獲得した11組のデザイナーによるプレゼンテーションと試作品による審査が行われた。

その結果、2021年度の最優秀賞を、クリエイティブディレクターの歌代悟氏による「特殊印刷加工技術を応用したプロダクトと実験ブランド開発」(提供企業:株式会社新晃社)が獲得した。

また優秀賞にはデザイナーの井下恭介氏と増谷誠志郎氏による【SANAGI design studio】の「光を使ったウェルネスプロダクトの提案」と、デザイナーの小林諒氏とプランナーの上田和実氏、デザイナーの武市美穂氏による「資源循環を実現するサスティナブル・アパレルブランド戦略」がそれぞれ選出された。

このコンペティションは、東京都内の中小企業の持つ技術や素材等をテーマにデザイナーから新規用途開発とビジネス全体のデザイン提案を募集、両者をマッチングして製品・サービスの実現化を目指すもの。

ビジネスデザインアワード‗歌代悟氏
最優秀賞を受賞した歌代悟氏

最優秀賞を受賞した歌代悟氏は、「試作の段階で20〜30種類のパターンを組み立てることになりましたが、この中の半分以上は取り組みの初期から一緒になってもの作りに取り組んできた現場のスタッフが自主的に作成し、提案してくれたものでした。現場主導の力が新晃社のもの作りの強さであり、良いもの作りの原点と感じた出来事でした。まずは『印刷加工実験室』プロジェクトの第一歩として、試作に取り組んできた折り紙『SAWARIGAMI』の実現に向けて進めていきたいと思います」と語った。

また社新晃社の森下晃一社長は今回の受賞を受けて、「東京ビジネスデザインアワードに参加してデザイナーとの出会いの機会をいただき、今まで自社だけでは考えつかなかった発想や新しい可能性を見つけることができました。また、デザイナーが自社の技術に真摯に向き合い取り組んでくれたことで現場の職員も発奮し、今まで以上に真摯にもの作りに取り組む創造的で良い時間が過ごせたと感じています。これからの展開がとても楽しみです」と語っている。

審査員の総評として、最優秀賞、優秀賞を受賞された提案は、それぞれ「その先」が明確に見えたことが象徴的。最優秀賞の「特殊印刷加工技術を応用したプロダクトと実験ブランド開発」は、プロダクト提案を超えて組織そのもののカルチャーをデザインし、モチベーションの向上にまで影響を与えた拡張性に、優秀賞の「光を使ったウェルネスプロダクトの提案」は実験をくり返し今のクオ
リティのその先を追求していく姿勢に、「資源循環を実現するサスティナブル・アパレルブランド戦略」は自社の成長だけではなく地域経済に貢献する循環型のビジネスモデルの可能性に実現化への期待を集めた点が評価につながった、と寄せている。

【最優秀賞】テーマ6:デザインビジュアル
特殊印刷加工技術を応用したプロダクトと実験ブランド開発

【最優秀賞】

提案名:特殊印刷加工技術を応用したプロダクトと実験ブランド開発】

提案者: 歌代悟(クリエイティブディレクター/デザイナー)

企業テーマ: 広色域の印刷表現と立体的質感を表現する「印刷技術」

内容: 特殊印刷加工技術の研究・発信ブランド「印刷加工実験室」

企業: 株式会社新晃社(北区)

【優秀賞】

提案名: 光を使ったウェルネスプロダクトの提案

提案者: 井下恭介(デザイナー) 、増谷誠志郎(デザイナー)
【SANAGI design studio】

企業テーマ: 電子回路とプラスチックの「設計・試作・加工技術」

内容: やわらかに時を刻む「ひかりどけい」

企業: 泰興物産株式会社(立川市)

提案名: 資源循環を実現するサスティナブル・アパレルブランド戦略

提案者: 小林諒(デザイナー/株式会社Onesal)、上田和実(プランナー/株式会社ナディア)、武市美穂(デザイナー/株式会社ナディア)

企業テーマ: さとうきびの搾りかすから生まれた「サスティナブル素材」

内容: 地球と肌に優しい、サブスクリプション型のアンダーウェアブランド

企業: 株式会社Rinnovat ion(文京区)

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