イトーテックと永井機械鋳造が業務提携を発表 持続的成長と強みを共有しグローバル、環境、次世代技術開発へ

断裁機メーカーのイトーテック(株)(本社・愛知県犬山市、嵐成樹社長、以下イトー)と永井機械鋳造(株)断裁機事業部(本社・埼玉県川口市、永井康仁社長、以下ナガイ)は9月1日、愛知県犬山市のイトーテック本社で記者会見を行い、両社の業務提携を発表した。コロナ禍で永井機械鋳造の業務縮小、人員削減に伴い、かねてから友好関係を続けてきた両社が培ってきたノウハウを生かして持続的経営、発展に寄与するための業務提携に合意した。

イトーテックの嵐成樹社長(左)と永井機械鋳造の永井康仁社長

 イトーテックは103年、ナガイは84年の歴史を持ち、両社はおのおの特色を生かし、経営の自主性と責任体制を堅持し、業務提携を可能なものから順次実施する。イトーは最大断裁幅820㎜未満の小型部門を持たず、ナガイは業務縮小に伴い、1000㎜以上の大型断裁機の製造を今後行わず、今回の提携で顧客に最適な製品ラインアップを拡充する。両社の持続的成長に向けて断裁機事業における選択と集中を進め「もっといい機械づくり」を進化させることを狙いとしている。

 イトーテックの嵐成樹代表取締役社長は「この間、両社で意見交換を行ってきた。その結果、両ブランドの特徴を活かしてもっといい機械を作り、持続的成長に必要な新たな領域に入ることに合意した。グローバル戦略、自主独立を進め、ナガイがユーザー、販売店、未来のために決断をされたことを重く受け止めた。ナガイのブランドはユーザーの信頼の上に立ち、イトーテック+ナガイブランドの持続的成長を目指していく。デジタル印刷の成長は小型断裁機の重要性が増している。小型機のノウハウをナガイから得て、いい機械を作っていきたい」と業務提携の狙いを述べた。

 永井機械鋳造の永井康仁代表取締役は「当社は長年、小型機のモノづくりにこだわってきた。両社はニーズに合った連携を模索してきた。グローバル戦略、環境、次世代技術の対応に待ったなしの思いがあった。リソース、技術開発が激化し、イトーさんとの業務提携により力を合わせて課題を乗り越える」と提携への期待を述べた。

イトーテックのSC100z/115z/137zシリーズ
ナガイのNC-80HHE1

業務提携の目的

  • お客様にとって、イトーテックとナガイは両社のサイズ・技術・ノウハウを融合することで両ブランドの特色を活かしたラインナップ商品を展開する。

協業の概要
【断裁機戦略】
・イトーテックブランド、ナガイブランドの差別化を進め、それぞれのお客様にとって最適な商品ラインナップを拡充する。
・ナガイがこれまで培った現地のお客様目線に立った小型断裁機づくりを基盤・基点とした商品企画・技術開発のノウハウ・プロセスをさらに進化させ、小型機領域での両ブランドの商品を開発する。
【技術戦略】
・イトーとナガイは技術戦略を初期構想の段階から共有する。
・イトーは環境・安全・安心・技術面での技術開発を進め、ナガイは小型機の技術・先進技術の低コスト化を推進する。
【事業戦略】
・開発・調達・生産といったモノづくりをスピーディーかつ効率的に推進する。
・国内事業では、イトーの販売ノウハウやインフラも相互活用し、ナガイブランドの向上を図る。

今回の合意を通じて、イトーとナガイは今後もそれぞれの強みを活かすマネジメントの独自性は維持しつつ、技術戦略を共有し、お互いに切磋琢磨しながら一体となって高度化する技術革新やスピーディーな事業展開など難易度の高い課題に対応し、両社の企業価値向上に努める

記者会見で業務提携を発表。左からイトーテックの清水常務と嵐社長、永井機械鋳造の永井社長と木村営業本部長

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